【完全保存版】東電株主総会、全議事録(6) 3時間41分にわたるやりとりを、すべて公開

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それから原子力についてでございますけれども、大変難しい問題だと思っております。ただ、私ども日本という国において原子力政策、エネルギー政策の中にある原子力政策のもとで、原子力発電の開発を50年以上前から進めてきて今日に至っているということでございます。従いまして、資源のない日本の中において、どういう形で国の政策の元で事業者がそうしたその一つずつの施策をとっていくかという、そうした総合的な中から判断していかなければいけない問題の一つだというふうに思っておりますので、今後のそうした関係機関並びに皆さんのお声を頂戴してですね、これから経営に反映していきたいというふうに思っております。何とぞご理解をよろしくお願い申し上げます。

下河邉会長: はい、もう一つお尋ねをいただいております。福島第一における汚染水処理のですね、今後の見通しについてお尋ねをいただきました。常務の小森よりお答え申し上げます。

小森常務: 先ほどのご質問とも少し重なりますが、汚染水のですね、対策といいますが、汚染水は先ほどもお話ししたとおり、燃料を冷やすために水を使っていると。そこがですね、まず根元でございます。従いまして、仮に小さなループにし、隔離をしてもですね、水で冷やすということは簡単には終わらないということで、これを安定的にしていくためにですね、漏れている部分を防ぎ、それでその放射能の濃度の高いものについては分離をしていくというのが基本的な話であります。

ただし現実にはですね、その漏れている場所、あるいはそれに対する止水というものが非常に難しいところでございまして、なかなか見通しをですね、いついつまでにというところが言えていないところでございますが、いずれにしましても英智を集めましてですね、まずは汚染水の源、発生源をなるべく小さくしていくということと、それから量を減らすということ。それにまず努めてまいるということと、それからいずれは止水をするというところの補修技術等をしっかりと今から開発をしてですね、いろいろな複合的な対策を講じてですね、国とも協力しつつ前に進んでいくということでございます。

いずれにしましてもこういった活動そのものをですね、皆さま方のほうに見えるようにすることも重要でございますし、また国の廃炉対策のロードマップということについても時期を経て改定をされつつありますので、そういう所で進捗状況を報告させていただくということで、よろしくご理解のほど賜りたいと思います。

下河邉会長: はい、この段階で議場にお諮りをさせていただきたいと思います。多くの株主様からですね、多数のご質問をこれまで頂戴いたしました。議長と致しましてはですね、そろそろ本日の総会で採決を予定しております議案の審議に必要なですね、ご質問も熟してきたかというふうに判断しております。

これから議案の採決に移りたいと思いますが、いかがでございますでしょうか。はい、ありがとうございます。それではただ今から議案の採決に移らさせていただきます。まず、はい。そちらで動議とお声を上げておられる株主様がおられます。何の動議なのか、まずご発言いただけますか。もう一度はっきり。14号。

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