支援員の役割は、プログラミング授業中、タブレットの電源がうまくつかなかったり、作業に戸惑っている子どもたちに寄り添ってサポートすること。また、再チャレンジと呼ばれる、授業内ではできなかったことをフォローするために設けられた時間で子どもたちの作業をサポートする。わからなかった部分をわかるまで教えて、どこにつまずいているのかを明らかにしていく。このような活動が、子どもたちの初期のプログラミングへの苦手意識を克服させるのに役立っている。
支援員には特段資格はいらない。都会であれば大学生などこうした分野が得意な人材もたくさんいる。しかし、武雄のような地域ではそうはいかない。そこで、発想を転換し、地域にいる人材を活用することになったという。結果的にそれが奏功して、学校、先生、地域の連携が生まれ、授業を受ける子どもたちに安心感をもたらしている。
課題は何か?
ここまで武雄市の取り組みの実態を取り上げてきたが、もちろん課題も多い。とくにICT環境は、各自治体にとって悩みの種だ。たとえば、タブレット。Wi-Fiは市内全小学校に設置されている。しかし、タブレットは1人1台の普及を最優先にしたため、そのスペックについては改善の余地がある。
一方、浦郷究・武雄市教育長は別の問題のほうが大きいと語る。
「先生にプログラミングの授業をやってみてよと言ったときに、それができるかどうか。今でも多くの部分をディー・エヌ・エーにお願いしている。何か行き詰まったときの対応力をどうつけるか、スマホも所持していない先生へのモチベーションをどう高めるかも課題」(浦郷市教育長)
しかし、武雄市は確実にプログラミング授業に手応えを感じているようだった。彼らが経験したプログラミングの効果と課題は、これから多くの学校が体験することになるだろう。
(写真:豊永和明)
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