25歳マーケ女子がプログラミングを学ぶ真意 もはや共通言語、知らないではすまされない
シャープが構える白物家電工場の周囲に、多くの町工場がひしめきあう大阪・八尾市。路地を歩いているとほのかにせっけんの香りがしてきた。創業90年、従業員30人の老舗せっけんメーカー、木村石鹸工業である。
昨年8月にここへ転職してきた峰松加奈さんは、弱冠25歳にして新商品の戦略企画やPR、ネット広告、ブログの運営まで、マーケティング活動を1人で手掛ける。そんな峰松さんが常日頃から感じてきたことがある。
「マーケティングを仕事にする人こそ、プログラミングを学ぶべき」
峰松さんの前職は、外資系消費財大手のユニリーバ・ジャパン。新卒で入社してから2年の間、主力ブランドのマーケティング担当を務めた。中でも苦労したのが、ウェブサイトの制作だった。
エンジニアとの共通言語を学ぶ必要があった
社外の制作会社に依頼し、エンジニアに指示を出す場面も多かったが、こちらの意図がうまく伝わらない。出てきた成果物に満足がいかないことも多かったという。「感覚で指示を出すしかなく、無駄なやりとりが多かった」という峰松さん。エンジニアとの共通言語として、プログラミングを学ぶ必要性を痛感した。
週刊東洋経済5月21日号(5月16日発売)は、『今すぐ始めるプログラミング』を特集。ITが生活のあらゆるところに溶け込んだ今、その裏側にあるプログラミングをもはや「知らない」ではすまされない。
峰松さんがプログラミングを学ぼうという考えに至ったのは、大学時代に友人が立ち上げたベンチャー企業に、手伝いで参加していたことも影響している。同い年や年下の学生たちが、プログラミング言語を駆使して自分でウェブサービスを作るさまを目の当たりにし、「人よりも新しいテクノロジーに興味を持つようになった」。
ユニリーバで2年が経ち、マーケティングとして一通りの経験ができたと考えた峰松さんは、以前から抱いていた「小さい組織で働きたい」という思いを強める。ひょんなことから木村石鹸のことを知り、大阪には縁もゆかりもなかったが、自社ブランドの立ち上げにかかわれることを魅力に感じて転職を決めた。
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