そして新卒採用にも、この方針が色濃く反映されているのです。数年前までは自社で活躍するタイプを特定し、それに合致した人を追い求める採用活動が主流でしたが、最近は今までにいないタイプにも、触手を伸ばす傾向が強まっています。それに伴い、採用手法や学生と接点を持つルートなども、多様化が急速に進んでいます。
“リファラル採用”などはその典型です。これは知人を介して、企業と学生が接触する採用手法ですが、こういった方法は、今後ますます浸透していくと思われます。
このように、採用手法や学生との接点を持つルートの多様化が進むと、学生全体にとってはチャンスが複線化する反面、個々の学生からは全体像がつかみにくくなります。
今までどちらかというと様式化されてきた大学生の就活ですが、この2年間ほどはその流れが反転し、「ここさえ押さえておけばよい」というシンプルなものではなくなりつつあるように感じます。
このような潮目の変わる時期だからこそ、行きたい会社・業界の新たなトレンドを敏感にキャッチすることが肝要なのです。
ポイント2:実際の就活スケジュールと費用は?
もう1つのキーワードは「働き方」。大手有名企業などの過重労働の例が明るみになったことをきっかけに、学生たちの働き方に対する関心は急速に高まっています。
一方の企業も、従業員満足なくして顧客満足なしと、これまでの価値観を超えた働き方改革への挑戦を始めており、その方向性や具体策を2018年卒採用活動のシーンにおいても積極的に発信しているのです。
このトレンドは、これまでブラックボックスだった実際の職場の状況などの情報が得やすくなるという点で、学生にとっては追い風と言えます。一方でこうした働き方改革は、まさに緒に就いたばかり。
現時点における福利厚生制度の充実度や有給休暇取得率など、指標の数値のみを追いかけるのではなく、改革への本気度や取り組みの実効性をはじめ、各社の動きを深く理解する姿勢が求められると言えましょう。
では今後、実際の就職活動がどのように進んでいくのか、見ていきましょう。就職白書2017で、2018年卒を対象とした自社の説明会・セミナーを最も多く開催する月について尋ねた質問では、「3月」と「4月」に回答が集中。会社説明会の山場はもうしばらく続きそうです。
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