日産、“売り負け"も円安に助けられる 4~6月期、世界販売3%減でも純増益

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

日産自動車が7月25日に発表した2013年4~6月期(第1四半期)連結決算は、売上高が前年同期比17%増の2兆2329億円、本業の儲けを示す営業利益は同23%増の1080億円となった。

自動車の販売台数は米国を除く各地で減少、台数ベースでは前期比3.3%減の117万台と苦戦を強いられたが、前年同期に比べて大きく円安に振れている外部環境に助けられた格好だ。一方、今期から会計処理を変え、中国の合弁事業を比例連結から持ち分法に移行したため、従来と同じ基準で比べた場合には営業利益は実質減益となった。最終的な儲けを示す純利益は同14%増の820億円だった。

米国以外の地域で販売苦戦

世界各地での販売状況を見ると、米国が主力車種の販売末期だった前年同期からの反動で、約2割増と大幅に伸ばしたが、日本、欧州、アジアやその他地域は軒並み苦戦した。中国は尖閣問題の影響が残り15%減、景気が低迷する欧州も10%減となったほか、日本では4.4%減、その他地域もブラジルなどの新興国の落ちこみが響き10.7%減となった。これまで強みとしていた中国・新興国では全体の需要は伸びており、日産は“売り負け”た。

販売台数は落ちこんだものの、ドルベースで18円6銭もの大幅な円安が営業利益で約680億円の増益要因となった。合弁事業の持ち分法利益が加わり経常増益、固定資産売却の特別利益も増加もあり純増益となった。

2014年3月期通期の会社計画に対して第1四半期実績の進捗率は18%にとどまったが、計画について、会社側はまだ第1四半期ということで変更していない。

丸山 尚文 東洋経済 記者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

まるやま たかふみ / Takafumi Maruyama

個人向け株式投資雑誌『会社四季報プロ500』編集長。『週刊東洋経済』編集部、「東洋経済オンライン」編集長、通信、自動車業界担当などを経て現職

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事