(第10回)「書く、伝える、人を動かす」 エントリーシートの書き方(序章)

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 大学の授業でもいい。部活動でもいい、インターンシップでもいい、留学でもいい。
 エントリーシートに書ける何かを求めて活動を開始する。考え、行動を始めたときには既に「書けるような何か」が生まれている。そこには学びがあり成長がある。
 その学び、成長するためのきっかけであり、促進剤となるのが「エントリーシート」であり、私はお互いを相互に高めうるこの「選考手法」をおおいに評価するのである。
 人は追い詰められたときほど、必死で学ぶ。だから、この「エントリーシート」の導入は、学生の「書く力」を全体的に高めるのに役立っているのではないかと思っている。そういう意味で、「エントリーシート」は非常に価値のある選考方法だと思うわけである。

 「何千枚も提出されるエントリーシート、本当に読んでいるんですか?」
 そういう質問を受けることがある。答えはYesだ。私もクライアント企業の担当者と一緒になって、3,000枚のエントリーシートに目を通したことがある。

 次回からは学生の皆さん向けに、「エントリーシートの書き方」に関して選考担当の視点から、勝手気ままに思うことを述べていきたいと思う。


 歴史が好きで、三国志や史記や、太閤記などを、夢中になって読んだ方も多いだろう。
 不思議に思ったことはないだろうか。何故、手紙一つ、書簡一つで、

「一国を滅ぼしたり、滅ぼすのをやめたりするのだろうか」

と。ビジネスの世界に出た今なら、一国の王の気持ちが多少わかる。

 1通のメールで、億の取引が成立することもある。1通のメールが企業提携のきっかけになることもある。1通のメールが消費者の怒りを招くこともある。クレームを納め、新たな取引のきっかけとなることもある。

 書く。
 伝える。
 そして、人を動かす。

 ビジネスの世界で必要とされる、そんな普遍的なスキルを、早いうちから身につけておけよ。
と、エントリーシートは優しく教えてくれていると思う。

福井信英(ふくい・のぶひで)
慶應義塾大学在籍中にジョブウェブと出会い、インターンシップ生として働き始める。
大学卒業と同時に(株)日本エル・シー・エーに就職。経営コンサルタントとして、学校法人のコンサルティングに取り組んだことをきっかけに、2003年3月に(株)ジョブウェブに転職。
現在、新卒事業部の事業部長として、企業の採用活動のコンサルティングや学生を対象とした各種リサーチ、教育研修コンテンツの作成に取り組む。
1977年生まれ。富山県出身。
福井 信英

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