ドラえもんと17世紀画家がコラボ? 名画と空想の化学反応!福田美蘭が面白い

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横たわり、休憩中のモナ・リザ

レオナルド・ダ・ヴィンチの『モナ・リザ』を写真や映像で見たことのある人は多いだろう。でも、それが描かれている現場を見た人はいるだろうか?

『ポーズの途中で休憩するモデル』は、レオナルドが『モナ・リザ』を制作中に目にしたモデルの姿を想像して描いた作品だ。同じポーズをとり続けるのはきついから、モデルは休憩をとる。疲れた表情を浮かべたモデルは、体を横たえるときに「よっこらしょ」という声が聞こえてきそうな肉付きのよさ。後ろには『モナ・リザ』の背景と同じような風景が広がり、全体がレオナルド風のタッチで描かれている。

『ポーズの途中で休憩するモデル』 2000年 作家蔵

リアルな安井と、非リアルな孫

『安井曾太郎と孫』も名画を横からのぞくようなスリルある1枚だ。大正から昭和にかけて活躍した洋画家の安井曾太郎は、自分の孫のかわいさを表現するために、かなりデフォルメして描いた。それが絵の中の左側にある「孫」という作品だ。福田美蘭は制作中の二人を安井風の絵に仕上げている。

筆を執る安井曾太郎の肌は自然な肌色なのに、傍らに立つ孫の顔は安井の描いた絵と同じように、ひどく青黒い。孫をモデルに制作している場面なのだが、逆に安井の絵から孫が飛び出してきてしまったようにも見える。

『安井曾太郎と孫』 2002年 大原美術館蔵
 
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