超難関「気象予報士」は実際使える資格なのか

予報の仕事をしているのは1割程度

次は、「スキルアップ組」です。こちらは、中堅どころの世代で顕著です。今ついている仕事の専門性を高めるため、仕事の幅を広げるために資格を取得するというわけです。航空業界や鉄道業界など、気象と密接にかかわる業界の人、アナウンサー、教育関係の人などが該当します。私も、サイエンスライターとしての専門性を高めるために資格を取ったので、スキルアップ組のひとりといえます。

期せずして、資格が仕事に生きているという人もいます。

たとえば、自動車教習所の教官をしている田口大さん(25)は、もともと天気が好きという理由で大学卒業時に資格を取得しました。資格を生かすつもりで現在の職場に就職したわけではなかったのですが、意外な形で気象の知識が仕事の役に立っています。自動車を安全に運転できるかどうかは気象条件にも左右されるので、職場の人に夏の突然の雨や冬の大雪についての情報を提供しているそうです。

趣味から発展することも

気象予報士の資格を、趣味に生かすために取る人もいます。山登りやダイビング、サーフィン、釣りなどのアウトドアの趣味を持っている人は、趣味を安全に楽しむために、気象の知識が必須です。最近では、このようなアウトドアスポーツに特化した気象会社も登場しています。山に特化した気象会社としてはヤマテンがありますし、2017年2月にはダイビングスクールの湘南DIVE.comが気象庁の許可を受けて、海の気象会社として始動します。

また、気象の知識を生かして本を書いたり、休日に科学館の解説をしたり、一般市民向けに科学実験教室や出前講座の講師などをしたりする人もいます。私もたまにこうした講師活動を行っていますが、本業が気象とは関係のない仕事の人や主婦、リタイア後の人が行うことが多く、年齢層は高めです。

鈴木寛之さん(60)もそのひとり。鈴木さんは長年IT系の会社でSEをしていましたが、54歳で資格を取得し、その後リタイアしました。現在は高齢者に向けて「暮らしに役立つ気象講座」を開催し、かれこれ3年続けています。

「暮らしに役に立つ情報としてシリーズで伝え続けることで、聴講者の意識が前向きになるのを感じることが多いです。それが自分への動機付けになって次につながる……そんな好循環を感じます」と鈴木さんは語ります。

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