超難関「気象予報士」は実際使える資格なのか

予報の仕事をしているのは1割程度

ただ、講師や解説員の仕事はボランティアだったり、謝礼をもらえてもアルバイトの時給より安かったりすることも決して珍しくありません。国家資格の専門知識を持ち、熱意をもって充実したコンテンツを作り上げて講師をしているのに、専門知識に応じた高い報酬をもらえるどころか、普通に働くよりも安い報酬しかもらえないのはもったいないことだと常々感じています。

このように、まだまだ資格を仕事として生かせる場は少ないのですが、気象業界全体で、活躍の場を増やしていこうという風潮にはなってきています。

たとえば、2010年度からは気象庁と日本気象予報士会が連携し、地元の人向けの防災出前講座を開始しました。この「防災プロジェクト」は神奈川県から始まり、今は全国に広がっている活動です。また、2016年には、気象庁は6つの自治体に気象予報士を派遣する事業を開始しました。近年では豪雨や竜巻などの極端な気象現象による災害が問題になっています。気象予報士なら、気象情報を正しく活用して防災に生かすアドバイスができるというわけです。

「取ったら食える」資格になるには

気象の知識が日常生活や防災に生かせるということは、まだ世の中ではあまり知られていませんが、もっとその重要性が認知されれば、講師などの仕事が増えて報酬も上がっていくのではないかと思います。

また、気象データをビジネスに活用しようという動きもあります。気象データがビジネスでもっと注目されて、データを分析できる専門家として気象予報士が注目されれば、活躍の場も広がっていくかもしれません。

気象予報士資格を持つ大学職員の20代男性は、「実際に予報業務をしている人以外の予報士は、たいがい『気象とは関係のない仕事をしています』と謙遜してしまっているのが残念です。掘り下げれば、実は関係しているところがたくさんあるんじゃないですか?」と語っていました。私も同感です。

せっかく猛勉強して取った資格です。「取ったら食える」資格になっていってほしいものです。そのためにも、気象の知識の重要さを、私たち気象予報士が世の中に発信していかなければいけないと感じています。

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