メラビアンの法則では「外見」の次に、「話し方」が相手への印象を決めると言っている。それは耳から得られる情報で、あいさつ、返事、言葉づかい、声の大きさやトーンだ。
大学のキャリアセンターでも話し方の指導をしているだろう。敬語の使い方に始まり、模擬面接、グループディスカッションなどの形式で、話す練習をしている。話し方は本を読んでも上手にならない。人の話を聞いて、うまいと思ったことは、真似をすればいい。話し方によって前向きな姿勢、積極性、相手への関心などを印象づけることができる。人事がほしいのは、入社後に大きく成長する人材だから、意欲が感じられるいきいきとした話し方ができる学生を評価する。
・はきはきとした態度(声の大きさや元気さ)、説明会などが終わった後に質問してくる学生(300名以下、運輸・倉庫)。
・積極的に話しかけてくる学生は顔を覚えるので情がわきます(1001名以上、メーカー)。
・明るく、元気で、素直な学生(300名以下、メーカー)。
・文系出身でIT業界・職業知識については全くの無知でしたが、面接の回答から意欲だけは本当によく伝わってきた。面接時の現場評価は高くなかったけれど、内定時から入社まではトップ成績で、入社後も評価はよく、当時の状況からは考えられないくらい成長してくれました(301~1000名、情報・通信)。
好印象でも採用に至らないケース
一方で残念ながら、人事が好印象を抱いていても、採用に至らないケースもある。コメントから実例を3つ紹介しよう。1例目の学生は社内にいないタイプの人材で、担当者は採用して、起爆剤的な役割を期待していた。しかし採用に至らなかった。どうやらこの学生が優秀すぎ、役員が使いこなす自信を持てなかったようだ。
・非常にいきいきと研究に没頭している様を話してくれた学生。研究漬けの生活を「好きでやっていて止まらない」と評していた。業務として考えた場合には是正すべき点があるものの、そのバイタリティと積極性・明るさはここ数年の選考学生の中でも際立っており、社内にほとんどいないタイプだったので刺激・変革という意味で採用したかった。残念ながら最終選考で「使える上司がいない」という理由で役員に否決されてしまった(301~1000名、メーカー)。
2例目はまじめで熱心な学生に共感する人事の声。だが、そういう見かけの地味な学生に対し、決定権を持つ面接者が採用しないと嘆いている。
・地方国公立大にありがちな、まじめ、ぼくとつ、熱心。だがこういうキャラは面接官には受けない。結果、落ちてしまう。印象に残るのはたいがいこういう学生(301~1000名、商社・流通)。
3例目は学生に好感を抱き高く評価しつつも、学生の未来を考えて人事が不採用にしたケースだ。
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