男ってなんでこうもバカなのか? 『男は邪魔!』の著者、高橋秀実氏に聞く

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いよいよ会社でも、女が男を凌駕する

――少し話が戻りますが、うすうす自分はダメとは気がついているとはいえ、奥さんに邪魔と言われてイラッとすることはないのですか?

私の場合、はっきりと「ダメ」とか「バカ」とか否定されると、自分が認められたような気がするんですね。逆にすてきとか、敬意を払われると、この人は見る目がないのかなと思ってしまいます。

読者の皆さんの中にもあるかもしれませんが、男にはバカと言われたいというのが、どこかにあるんじゃないかな。実際、どこかバカですしね。俺のことをバカだと認めてくれる人じゃないと逆に信用できないというか。だから、できれば女性の皆さんも男を否定してあげたほうがいいんじゃないかと思いますね。

私の知り合いにもキャバクラなどに行って、ホステスに「バカ」と言われて喜んでいる人もいますしね。わざわざおカネを払ってそう言ってもらっているわけですから、ウチで言ってあげればいいのにと思いますよ。われわれより上の世代の男性は怒るかもしれませんけど。

――そんなこと言ったら、誰のおかげで飯が食えているんだ、とか言う年配の男性がいそうですね。

私は今51歳なのですが、われわれの世代はそういう発想はあまりないんです。ちょうど男女雇用機会均等法が施行された頃ということもあり、女性たちがすごく輝いていました。

大学時代には、ちょうどディスコやワンレン・ボディコン(ワンレンとは、ワンレングスの略で、ストレートの髪を同じ長さに切りそろえた髪型。ボディコンとは、ボディコンシャスの略で、1980年代にはやった体にピッタリとしたミニのワンピース。これにトサカ前髪をした女性がディスコ「ジュリアナ東京」などに集まり話題となった)がはやって、女性がキラキラしていましたね。

私もワンレン・ボディコンを初めて見たときは、こんなにすばらしいものがあるのかとクラクラして、早速、六本木のディスコに見に行ったりしました。ところが服装チェックで入店を断られて、仕方がないからいったんウチに帰って着替えて出直したのですが、それでも断られたりして(笑)。たぶんセンスが悪かったのでしょう。服装チェックという関門を越えないと、われら男たちはワンレン・ボディコンの女性にお目にかかれなかったんです。

――そういうのは僕らの世代だと、テレビでしか見たことがないのですが、アッシーとかメッシーとか聞いたことがあります。

男たちはご飯をごちそうするだけのメッシーとか、車で送り迎えするだけのアッシーとか、喜んでやっていましたね。ワンレン・ボディコンの女性たちがディスコのお立ち台で踊っていることに象徴されるように、女性というのは、われわれからすると仰ぎ見る存在だった。男女平等というより女性上位。そういう中で男女雇用機会均等法が施行されたわけですから、いよいよ会社などでも女性たちが男を凌駕するんじゃないかと。

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