男ってなんでこうもバカなのか? 『男は邪魔!』の著者、高橋秀実氏に聞く

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結局、「性差」とは何か?

――邪魔な存在として、われわれ男はどう女性と接していけばいいのでしょうか?

世の中には、ほかにも邪魔なものがいろいろありますよね。ただ、それを取り除くことで本当に物事がスムーズに運ぶものでしょうか。邪魔なものがあるからこそ、そのせいにして、うまくいかないことをエクスキューズできるという側面もあると思うのです。

規制緩和が叫ばれたときだって、規制が邪魔だからと本当に排除したら、たちまち混乱に陥ったりしたじゃないですか。邪魔なものには邪魔なものなりの存在理由がある。本書にも書きましたが、邪魔だと言われるということは、存在として認められているということは間違いない。夫婦などの場合、空気のような存在より、邪魔な存在のほうがましだと思うのです。

ただ、そこで大事なのは、邪魔だという自覚を持つこと。自覚があれば、女性に邪魔と言われても「おっしゃるとおりで」とやり過ごせるわけです。昔、植木等が「お呼びでない」と言っていたのと似ているかもしれないですね。

――本を出してからの反響はどうですか?

アマゾンなどでは大変な不評で(笑)。男はバカだと指摘したら、バカはお前だと言われたりして。実際、そうなんですけどね。実は本を出すとき、「男は邪魔」という言い方に一抹の危惧を覚えていたのです。もしかして仕事がうまくいかず、精神的にも経済的にも追い詰められているような男性が、この本を読んだらショックを受けるんじゃないかと。ところがブログなどの感想を読んでみると、意外にもそういう人たちの支持を受けていることがわかったのです。

ーーそれは想定外ですね。どうしてでしょうか?

日頃、自分はダメだと思っている人が「男は邪魔だ」と言われると、実はどこかほっとするようなんですね。俺という個人がダメなんじゃなくて、男全体がダメならしょうがないなと。「男は邪魔」と「あなたは邪魔」は、似ているようで違うのです。

私も妻にいろいろとしかられておりますが、彼女は最初「あなたはバカだ、邪魔だ」と言いますが、途中から主語が「男」に切り替わる。そうなるとあくまで男の話で、俺だけのことじゃないと一瞬救われるんですね。実は「性差」というのもそういうものなんじゃないでしょうか。

現実には個人差がありますから、男はどうで女はこう、なんてことは断定できないわけです。しかし、そこで「男は邪魔」と声に出してみる。そうすることによって女性たちにパワーがよみがえり、男たちも謙虚になれれば、というのが私の切なる願いなのです。

本多 カツヒロ フリーライター

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1977年横浜生まれ。2009年よりライターとして活動。政治、経済から社会問題まで幅広くカバーし、主にインタビュー記事を執筆。現在「Business Journal」「WEDGE infinity」などに執筆中。ブログ:http://golazo-sala.cocolog-nifty.com/pinga/

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