精神的な暴力で威圧しても、子供は自己肯定感をなくします。そして向上心を持てず、他者への警戒心が強く、最悪、社会に適応しない子を育ててしまうことなどを、本書では特に強調しています。
横暴な父親の下でも、母親の守り方次第で、子供は真っすぐに育ちます(もちろん、夫の横暴さの程度にもよりますが)。わが子たちが通ったどの進学校の私の周囲でさえ、成績が悪いと寒い冬の夜中に子供を屋根の上に追いやった父親や、家庭内暴力事件が他人事でなかった人が、3人や4人はいました。いまは皆笑い話にしています。
そのような暴力的な父親を、すぐに変えることは不可能です。その妻たちの多くは、むしろ夫の変革も期待せず、できるだけ子供と夫の距離を作り、全神経で子供を父親から守ることに集中したことで共通していました。
久美さんの夫君の“教育法”は、拙書『一流の育て方』で、「最悪の育て方」としてさまざまな人が挙げている、まさに最悪の教育方法のお手本のような事例です。彼に、息子さんへの接し方が180度間違っていることに気づいてもらえればと思うのですが、このようなタイプは、人の意見を聞かず、自分を見つめなおすことができないタイプが多いので、望み薄かもしれません。
将来を悲観せず、子供に無償の愛を
他方、あなたは息子さんに、無償の愛をいっぱい注いでください。将来の悲観的な予測までしてあなた自身があれこれ悩んではいけません。
大切な時期の息子さんを無条件で愛していることは、息子さんに100%伝わっていますか? 子供の好きなお弁当や夕飯に気合を入れるなど、母親の愛情伝達手段はいっぱいありますね。
破壊的な父親にもかかわらず、母親の愛情を励みに努力を怠らず、幸福な人生を歩めているという人は、本当に多いですよ。今、本当に苦しい大変な時だと察しますが、まずはモラハラ夫から子供を守り抜かなければなりません。
子供を夫から遠ざけ、子供が「愛された存在」としてのアイデンティティを持てるかどうか、久美さんの覚悟と力量にかかっています。
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