「ダメな育て方」が子供の自己肯定感を下げる

夫が子供に対して壮絶なモラハラ

学歴さえ高ければ、少々教養が低くとも人格に問題があろうとも、社会の要職に就け、名誉と厚遇・安泰が一生保証された日本のシステムは長く続きました。しかしこれは、神話となりつつあることは周知のとおりです。

このシステムが崩壊したのは、その必然性はありましたが、引き金となる問題や事件が多発したのも、一因に挙げられると思います。日本の学歴の高さが、一部に受験問題の詰め込み・暗記力の高さを意味したこと。自主性や創造性、さらには人間性の育みを阻害したこと。ビジネスの現場で必ずしも役に立たないこと。能力がない人でも、学歴だけで定年まで高い位置に君臨することの弊害など、挙げればキリがありません。

最近問題化した医師や医師の卵たちによる集団レイプ事件もそうです。医師免許取得のため以外の勉強はしたことのない姿を、連中にみました。

ところで神様は不公平だと思うほど、高学歴で能力高く、人間性すばらしく、人々から尊敬と信頼を得ている人はザラにいます。学歴などは高くないものの、そのような人は大勢います。

この差はもちろん、受験勉強だけでギリギリだった人たちと、道徳や芸術教育を受け、読書その他で視野を広め想像力を磨き、思索する習慣を持ち、自主的に知的向上心を持って学んできた等の人たちとの差異であることは、明らかです。

子供の自己肯定感を低める育て方が、最悪の教育法

拙書『一流の育て方』で多くのページを割いて紹介させていただいたことですが、多くの子供世代が親に感謝していることの1つに、「強制的に勉強させられたことはなく、さまざまな体験をさせてくれ、かつ子供の自主性を尊重してくれた」ことがあります。学歴と人生の幸福は、必ずしもリンクしないという生き方のモデルを探すのに、苦労しない時代にもなりました。

一方、成績至上主義は崩壊しているとはいえ、国際的にも厳しい学歴社会であることは現実です。子供の受験勉強に過度に干渉する親を、皮肉るだけでは何も解決しません。

そこで手前ミソで恐縮ですが、上述の拙著では、久美様の夫君のような勉強のさせ方やしかり方が最悪であることを、手を替え品を替えくどいほど詳細に、実例を交えて紹介させていただきました。

そして、(1)高学歴が必ずしも幸福な人生を約束するものではないこと。(2)自主的に自分の幸福を追求しながら社会貢献を目指す自立した大人に育てる全人教育の大切さ。(3)本当の親の愛情や勇気とは、子供を無条件に慈しみ、言葉でなく親自らが模範となって背中で見せることだ、などと力説させていただきました。

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