首相周辺で高まる「消費税3%増税」縮小論 中期財政計画などに影響も
「3%は大きすぎる」、小刻み増税に理解の声も
しかし、法律に明記された増税予定を白紙に戻せば、日本の財政への信認を失うリスクが大きい。金融市場でも、ほぼ予定通りの実施が織り込まれていることもあり、増税による景気腰折れを懸念する政府関係者の間でも「ゼロ回答とするのは無理がある」との認識で、ほぼ一致している。
ある政府関係者によると、その場合の選択肢として、2つの方法が俎上(そじょう)にのぼりそうだという。
一つは予定通り3%の増税実施するものの、景気配慮としての補正予算や成長戦略を思い切って打つ選択肢だ。もちろん財政再建のイメージを崩さないよう、一時的な財源を捻出する必要がある。
もう一つは増税幅を小幅にとどめるが財政出動を伴う対策は取らないという手法で、小刻み増税などがこれに相当する。内閣官房参与の浜田宏一氏はロイターとのインタビューで「毎年1%など漸次的な消費増税に賛成だ」、「歳入は増税幅だけでなく、経済の伸びに大きく依存している」として、景気が悪化すれば税収が落ち込むと懸念している。小刻み増税なら駆け込み需要と反動を小さくする効果や、期待インフレ率上昇にも寄与することが期待されているようだ。