JRの前身である国鉄は、1964年以降慢性的な赤字に悩まされるようになり、対応策として1980年に日本国有鉄道経営再建促進特別措置法(以下「国鉄再建法」)が成立する。
その第1条「目的」では以下のように規定されていた。
そして第2条では、「経営再建の目標」として、
第3条では、そのために「国鉄と国が取るべき責務」として、
と、それぞれ定められた。
組織の維持が前提だった再建計画
国鉄には「我が国の交通体系における基幹的交通機関」としての重要な立場があり、国鉄が破綻した場合の影響は計り知れない。そのためにも膨大な赤字を抱える国鉄の経営再建は急務とされ、国鉄のみならず国にも国鉄再建への責務が確認された。国鉄は組織を挙げて経営再建目標を達成することを求められ、国は「基幹的交通機関」である国鉄の機能を維持させ、地域における効率的な輸送の確保を配慮して経営再建促進の措置を講ずることが責務とされた。
国鉄は、国鉄再建法で廃止対象とされた特定地方交通線以外の路線を維持して引き続き国の基幹的交通機関としての役割を担うべきとされ、国もそれを支援せよ、とされたのである。この段階では、未だ国鉄は組織の維持を前提に再建計画が進められることになっていた。
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