JR「経営多角化」のモデル、実は近鉄だった JR九州初代社長が明かす国鉄改革成功の理由

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本州三社は最初の10年間に上場した。JR九州も昨年上場し、残る北海道、四国、貨物という3社が経営基盤を作る時期になった。本州三社は、鉄道を基盤とした世界に誇る企業であり、収入規模ではJR7社の9割にも相当する。また、国鉄時代の2兆円近い赤字から7社合計で5500億円もの黒字を計上するようになったことを考えれば、国鉄改革は大成功だったといっていい。

今後は発想の違う戦略が必要だ

東洋経済臨時増刊「鉄道最前線2017」(2月27日発売)。表紙の画像をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

今、残る3社の仕上げの時期に入ったわけだが、三島会社で最初に上場したJR九州が他のJRにない、独特の経営戦略を積み上げて成功したことが象徴しているように、これからの各社はかなり発想の違う戦略、当初のビジョンになかった経営に踏み込んでいくことが必要だ。その道は必ずある。

厳しい経営環境の下で苦労してきた三島会社と貨物会社は、この30年間、企業風土の変革で国鉄の大企業病を一掃したすばらしい面もある。これも国鉄改革の成果である。国鉄が潰れた原因でもあった大企業病に逆戻りしないよう、各社とも緊張感を持ってこれからも努めるべきである。

国鉄改革とは、明治以来100年の国家と国民が作り上げてきた財産の「使い方の民営化」である。その意味ではJRは「国設民営」でもある。地域鉄道という「公器」の活かし方には、JRはもとより、地域、そして国にも責任がある。

石井 幸孝 JR九州初代社長

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いしい よしたか

1932年生まれ。東京大学工学部卒、国鉄入社。87年JR九州初代社長、その後会長も務める。経済界、観光、国際交流等にも携わる

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