ベテラン弁護士が「離婚はやめろ」と説くワケ 1万人の人生からわかった「幸運」を呼ぶ法則
なのに、「浮気をやめさせて」という依頼者が来て、「それなら……」と相談に乗るのですから、確かに「変な弁護士」だといわれても仕方がありません。浮気の対処は、法律相談ではなく人生相談のはずで、弁護士の守備範囲ではないのですが、いつの間にか、私にはこういう相談が増えていました。
「西中先生やったら、何とかしてくれると思って」
こうおっしゃる方もいらっしゃいます。相談に来る人にとって、私は一種の「何でも屋」なのかもしれません。
「離婚してもいいことはないですよ」
もっとも、最初の頃は、夫婦間のトラブルが持ち込まれるときは、もっぱら離婚の問題ばかりでした。
「主人が浮気をしているらしい。離婚も考えている」
そういった法律相談です。そうすると、普通の弁護士の仕事としては、こんな具合に進むわけです。
(2)浮気なら証拠をつかむ。
この段階でこんな警告書を出す場合もあります。
「あなたの浮気はわかっている。ここにこんな証拠がある。今すぐ浮気をやめたほうがいい。さもないと、損害賠償を払うことになる」
警告を出して、浮気がそれでも止まらなければ、離婚を求めます。そして、ご主人が拒むようなら離婚訴訟まで進めるわけです。
これが一般的な弁護士の仕事です。離婚を考えて法律相談される方は大抵、弁護士にこうしたことを期待されているのではないでしょうか。
けれど、私は別のことをしてしまうのです。
離婚したいという奥さんが来ると、こう言います。
「離婚してもいいことはないですよ。その前に、ご主人の浮気を止めたほうがいい」
すると、相談に来た人も、「そんな方法があるんなら、そのほうがいいです」と乗り気になる場合が多いのです。
こんなことを繰り返していたからでしょう。「西中先生なら、何とかしてくれる」と、浮気を止める人生相談に来る人が当たり前になったのです。
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