大和ハウス工業、「有休取得」にあの手この手 業績上げても長時間労働では賞与引き下げ

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大和ハウスの場合、ひとまずは隔月で実施してみて、その成果がどのように表れるのか検証を重ねていく。「将来的には、(プレミアムフライデーの代休も取らず)休まない人に警告を発することもありうる」(菊岡次長)という。

今でもトップ成績の営業員は、むしろ顧客とうまく調整し、顧客の都合だけに振り回されるようなことはないという。従業員も休むために工夫と努力を求められる。短い出社時間の中で、いかに効率よく仕事をするか、知恵が必要だ。

有給休暇の取得率も評価基準に

実は同社の働き方改革は、昨日今日始まったものではない。たとえば2014年には事業所の業績評価の仕組みを見直している。それまでは各事業所の賞与支給評価基準は、契約率や契約高など業績のみだった。そこに「時間当たり利益」や「業務平準化」、「有休取得率」など、働き方の効率指標を織り込んだ。

ほかにも「ブラック事業所認定制度」というものがある。長時間労働に対し、独自の社内基準に基づき是正を指導。改善が見られない場合は、最終的に事業所全体の賞与額を減額するというものだ。たとえ利益が出ていても、それが長時間労働の結果であれば、評価は低くなる。

プレミアムフライデーを推進してきた経団連も、当初は旗振り役を務めるが、基本的には企業の自主的な取り組みに任せるというスタンスだ。今のところ、大和ハウスのように働き方改革につなげ、積極的に取り組む企業はごく一部。しかし、優秀な人材の獲得やイメージアップの成功例が出てくれば、それに続く企業も出てくるはずだ。その意味でも先発を務める大和ハウスの一挙手一投足に注目が集まる。

筑紫 祐二 東洋経済 記者

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ちくし ゆうじ / Yuji Chikushi

住宅建設、セメント、ノンバンクなどを担当。「そのハラル大丈夫?」(週刊東洋経済eビジネス新書No.92)を執筆。

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