なぜ日本は「廃校」や「公園」を使わないのか 「570兆円の公的不動産活用」で世界一になる
――もう1つ、NYのブルックリン・ブリッジ・パークの例を挙げます。これは、市側が建設当初から「独立採算でやる」と約束して造られた公園です。園内に建てた住宅棟の地代収入と住宅所有者が支払う固定資産税相当額、あとは営業権収入などで管理運営費を賄っています。
野尻:NYでは、いまや街の再開発に公園の整備は不可欠になっていますね。ブルックリン・ブリッジ・パークがどんどん魅力的な公園になっていく中で、周辺の不動産価値もさらに上がって、マンションもどんどん建っていくという好循環が生まれています。賃料や駐車場費用、飲食店からの営業権収入で公園の管理費用は十分賄える。稼ぎすぎ、といってもいいくらいの状況です。
馬場:市も潤いますね。でも、それくらいドリームがあったほうがいいですよね。
楠本:実は私、勝手に東京で「大田区ブルックリン化計画」っていうのを打ち上げています。大田区は運河沿いにたくさん公園があるんですよ。ブルックリン・ブリッジ・パークに似ている。まだ具体的には何も動いていませんが(笑)。
――日本の公園に目を転じてみましょう。たとえば東京・江東区の夢の島公園です。野球場、体育館、競技場、熱帯植物園、多目的コロシアムなどたくさんの施設があり、2020年の東京五輪ではアーチェリーの競技場になることになっていますが、活用度は十分なのでしょうか。
「夢の島」でキャンプもウエディングも
野尻:ここもぜひ、私のところでやらせてもらいたいですね。この場所もほかの公園などと同じように「指定管理者制度」を通じ、民間が管理運用しています。でも、もっとすばらしい活用の仕方があると思うんです。この公園のマリーナには船を泊める場所もあるのですが、もったいないことにそれに合わせた飲食施設がないし、宿泊施設もないんです。私も以前利用させていただいていたので、「もっと人が来る場所にできるのに」と。
もう1つ、ここでキャンプができるとすてきだと思いませんか! もし、夢の島で「グランピング」(高級キャンプ場、高級ホテル並みにしたサービス)ができるようになると、本当に魅力的な場所になります。目の前には海もあるし、その気になれば船だって使えるわけですからね。
木下:パークウエディングもあるでしょう。
野尻:船から入場、なんていうのもアリですね。
木下:実現したら本当に夢の島になりますよ。
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