ネット通販の激増で日本の宅配便は崩壊する

2割占める「再配達」を宅配ボックスで減らせ

2016年12月の職業別有効求人倍率をみると、自動車運転の職業は2.70だった(厚生労働省調べ)。これは全体の有効求人倍率である1.36の約2倍。全体的にトラックドライバーが不足しているが、なかでも宅配便のドライバー不足に拍車をかけているのが「再配達」なのだ。

不在による宅配便の再配達率は19.1%で、2割弱が再配達となっている(国交省調べ)。前述のように、2015年度は宅配便が1億3100万個増えているので、その2割近くが再配達としたら1億5720万個増となり、ドライバーの労働量は2600万個分もよけいに運んでいるのに等しい。

この再配達こそ、宅配便の生産性を低下させている原因だ。配達車両の走行距離の約25%が再配達のためであり、その分、CO2(二酸化炭素)の排出も多くなる。この再配達に要する労働力は、年間9万人ものドライバー数に相当するという。

”送料無料”でもどこかが負担している

通常のネット通販では、たいてい配達日と時間帯を無料で指定できるようになっている。実は”時間帯”指定と”時間”指定とはまったく違う。時間帯指定は2時間の幅で設定されているが、これは2時間という大枠の範囲内で配達するという約束であり、既定の配送コースをその時間内に回ればよい。時間帯指定ならば、1度の訪問で配達が完了する限り、再配達というムダが生じないので、宅配便会社にとっても効率がいい。ただし時間指定となると、ピンポイントの時間に行かなければならないため、どうしても特別料金になる。

もっとも、時間帯指定が宅配便会社にとっても都合がいいのは、利用者が指定した時間帯に在宅してこそ。指定された時間帯に訪問しても不在ならば、商品を持ち帰って再配達することになり、それだけ宅配便会社とドライバーの負担が増してしまう。

負担が重くなっているのは、宅配便会社だけではない。「アマゾン」や「楽天市場」など、最近のネット通販では”送料無料”のサービスが増えている。が、これは販売業者が送料を負担するので、利用者は負担しなくてもよい、という意味だ。結局はどこかが被らなくてはならない。利用者は送料込みの値段で、高いか安いかを判断する。1回分の送料は販売価格に含まれ、販売価格が高くなれば、競争上不利にならざるをえない。

ちなみに商品の不具合やサイズ、色などの問題で、利用者が返品する場合には、返品に要したコストをネット通販会社が負担して、宅配便会社に支払うのが普通。これは返品率なども勘案して、販売価格を設定しているからと考えられよう。

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