団塊ジュニア世代 vs.ゆとりのスマホ世代

デジタル世代のホンネとは?

ゆとりで育った スマホ世代

一方の20代前半はスマホ世代といえるだろう。スマートフォンが本格的に普及したのは10年ごろ。高校生~大学生の頃からスマホを利用している。パソコンは使わずスマホだけでネットにつながっている人も少なくない。いつでもどこでもつながれるので、ネットでの友人と親友になるケースもある。現実世界の友人よりも簡単にやり取りができるからだ。

この世代の大きな特徴は、ゆとり教育を受けてきたということだ。ゆとり教育は、02年から小中高校で段階的に実施されたため、ケータイ世代の後半も一部ゆとり教育を受けている。だが、小学校からゆとり教育だったというのは、スマホ世代が初だ。

ゆとり教育によって小中高校での授業時間数が少なかったことが、その人にどのような影響を与えるか、正確なことはまだわからない。だが、ここ2~3年に入社してきた新人を見れば、その傾向が垣間見られるはずだ。

博報堂の原田氏は、ゆとり教育を受けたビジネスパーソンを集めて、好きな上司のタイプを聞いたところ、最も多く返ってきた回答が「かわいい上司」だったことに驚いた。ふざけているのかと思ったが、本気で言っているのだという。

どういう上司が「かわいい」のか尋ねると、「メタボを気にして、OLみたいなサラダとかを食べている男性上司」「よく鼻血を出して、ティッシュをせがんでくる人」「仕事で意見したときに、新人が言ったことでもいいことは認めてくれる人」との答えが返ってきた。

要は「『上から目線』ではなく、自分と同じ目線を持ってくれるような上司」を求めているのである。もはや上司に対して、仕事を教えてくれる人、仕事のスキルアップを図ってくれる人、というイメージはないのかもしれない。

これは経済成長への期待が薄いことの表れともいえる。この世代は、仕事で頑張っても見返りがあるとは考えていないフシがあり、原田氏はこの世代と話していると、「ほどほど」という言葉をよく聞くという。「ほどほどの出世」「ほどほどの付き合い」といった具合だ。スマホ世代は、無理をするよりも、この程度ならできるということだけをやろうとする傾向がある。嫌なことはやりたくなく、やりたいことだけを志向する。就職活動をしていても、本音では専業主婦か一般職の正社員になることがカッコいいと思っている女性も少なくない。彼女たちにとって頑張って上を目指す団塊ジュニアの女性たちは「イタい」存在なのである。

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