まず明確に申し上げますが、不倫は、夫(妻)が立ち入ってはいけない妻(夫)のプライバシーではありません。
私が前回申しました、「夫婦でも立ち入ってはいけないプライバシーの1つ」とは、“既婚者といえどすてきだと感じる異性との出会いは避けられない。しかし人間は理性があり、常識や道徳をわきまえているから、どちらか一方でも冷静なら、(それを理由に)家庭を壊す関係には持っていかないものだ。その段階で不倫だ浮気だと騒ぐのは感心しない”と言ったのです。
結婚には責任や約束事が、有言無言にあります。他に好きな人ができたというだけで白紙に戻せるものではないのです。「結婚の有言無言の約束事」に背く行為は、守られるべきプライバシーではありません。
夫人は、いまだ会ったことがない男性との“いいとこ取りの会話”にのぼせています。これからもその相手が、心を支えてくれる存在であり続けるかは怪しいものですが、しかしそれは、あなたには関係のないことです。
奇跡的に一命を取り留めたあなたの前で、「相手は心の支えの人だから、(あなたに命を懸けて)頼まれても縁は切れない」と言った夫人に、私は開いた口がふさがりません。いわゆる男女の一線を越えた関係以上の背信を、この言葉に感じます。妻のプライバシーの範囲を越えています。
この言葉に怒りと失望を感じつつも、あなたは彼女の改心に期待を持っておられるのですね。これからもあなたには薄情な夫人に、振り回される可能性大ですが、覚悟を持てますか?
不倫妻が離婚したがらない理由は、未練ではない
夫人が離婚を望まないのは、あなたへの情も少しは残っているからではありません。それはあなた以外の家族の信頼や社会的な信用、経済的な安定、世間体など何も失うことなく、不倫も続けたいからです。花も実も欲しいのです。
普通はそんな厚かましいことは望みません。失うものの大きさや特に子どもが抱える傷などを考えると、恋愛感情が芽生えても、相手をファンとして応援したり尊敬の対象としたり、高嶺の花にとどめておくものです。
時代は違うとはいえ、昔の人は既婚者が、「好き」という感情だけで家庭を捨て、好きな人の元に走るのを、野良のイヌかネコに例えて軽蔑しました。ヒトならではの理性も常識も責任感も道徳観もない、後先の犠牲も考えない自分本位な人だと言っているのです。特に子どもの健全な成長を願う親なら、それは出来ることではありません。
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