「モテ塾」に行く独身男性を笑ってはいけない 日本の独身は本当に「嫌婚派」なのだろうか?

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そして、たとえば結婚相談所に登録している会員がどのくらいお見合いしているか、ご存じだろうか? 20回、30回お見合いするのは当たり前だ。なかには150回以上のお見合いをしているツワモノたちもいる。休日のホテルのティールームに行ってみるといい。どこもかしこもお見合い客でいっぱいなのだ。

結婚相談所の仲人として、こんな現状を目の当たりにしていると、独身者たちが「嫌婚」傾向になっているという報道には、どうも疑問を感じる。

思うに、「結婚したくて婚活したけど、ピンと来る人に出会えなかった」→「必死で婚活するのも疲れたし、そこまでして結婚しなくてもいいんじゃない」→「まあ、こんな時代だし、給料も安いし、貯金もないし、1人のほうが気が楽っしょ」→「何が何でも結婚しなくてもいいか」→「結婚? 興味がないんですけど、何か?」と、結婚しない理由を後付けしていくのではないだろうか。

41歳洋次「婚活ほど利益率の悪い投資はない」

先日、41歳でメーカー勤務の洋次(仮名・年収600万円)が私の結婚相談所に面談に来た。額から中央部がきれいに禿げ上がり、サイドの髪の毛がフサフサに残っている。このタイプは、サイドをもっと短く刈り込むか、いっそ刈り上げてしまったほうがおしゃれに見えるのだが、洋次のようにフサフサと黒髪を残している中年男性は多い。

洋次は言った。「34~37歳までの3年間、大手結婚相談所に入って婚活をしていました。3年で70回くらい見合いしましたよ。その中で“交際”になったのは、3人。その3人とも1回食事をしたらお断りがきました」。

お見合いの場合、“交際”と“真剣交際”という区分がある。“交際”というのは、お見合いをして「もう一度会ってみたい」と思ったら、仲人を通じて電話番号を交換し、そこから食事やデートを重ねていく。これは、「おつきあい」のお試し期間のようなもので、1人と“交際”に入ったとしても、他に何人とお見合いをしてもいい。

おつきあいを重ね、結婚を意識するようになったら、今度は「真剣交際」に入る。そのときはお相手をひとりに絞り、ほかに会っている人たちはお断りをする。お見合いは、結婚を前提にした出会いなので、真剣交際に入るとかなり高い確率で成婚をしていく。成婚とは、業界用語で“結婚”のことだ。

洋次は、続けた。

「なんだかだんだんお見合いすることに疲れてきちゃって」

「そっか。でも、70回頑張ったのはすごいじゃない?」

「というか、婚活くらい利益率の悪い投資はないなって思っちゃったんですよね。相談所に高い登録料を払って入会する。お見合いの度におカネがかかる。お茶代って男持ちじゃないですか。ホテルのコーヒーって1杯1500円とかするし。交際に入れば食事をご馳走して、それで断られれば、ふりだしにもどる。それまでの時間とおカネの投資がゼロになるんですよ。ゼロどころか時間とおカネの支出を考えたら、マイナスじゃないですか」

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