では、2020年度までの財政運営で、この年平均0.9兆円の歳出増にとどめるような運営を行えばどうか。2017年度から歳出は2.7兆円の増加にとどまる。今回の「中長期試算」で見込んでいる10.4兆円の増加を、過去の経緯と同程度の2.7兆円にとどめられれば、7.7兆円も収支改善に貢献できる。2020年度の基礎的財政収支赤字を8.3兆円と見込んでいるから、残り0.6兆円の収支改善努力を追加すれば、2020年度の財政健全化目標は達成できるのだ。
もちろん、国と地方合わせて年平均0.9兆円の歳出増に抑えるというのは、何らかの改革努力なくしてはできない。歳出増の圧力もあり、新規施策もある中で、工夫して財政運営を国と地方が協力して行ってきた結果である。
努力すれば、目標はまだ達成可能だ。「やるしかない」。2020年度の財政健全化目標の取り下げを、早々に決める必要などまったくない。
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