住宅ローンは「年収」を基に借りてはいけない 初めて家を買う人は結構失敗している

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少し視点は変わりますが、「額面上の年収」は変わらなくとも、実際に使える可処分所得は今後、ジワジワと減少する可能性があることも忘れないようにしたいところです。

最近、毎日のように話題に上るように、今後は「所得控除の削減」「社会保険料の負担増」「消費税率のアップ」などが避けられないからです。とすれば、たとえ年収自体は変わらなくとも、あるいは少し増えたとしても、手取りは少なくなる可能性が高いからです。確定申告のシーズンや4月からの新年度を控え、税制改正関係のニュースも多く、こうしたことを実感する方も多いでしょう。

また、筆者がよく聞かれることの1つに、「国や会社からのさまざまな補助」や、「業績に応じた臨時収入」のようなものはどうすればよいのか、という質問があります。

補助などは、事情等により簡単に削減されるリスクがありますから、特に長期のローンを組む場合は、最初から当てにせず、それらがなくても成り立つ計画を立てるべきです。こうした特別な収入の主なものとしては、ボーナス、会社からの助成(扶養者に対するもの、住宅手当、福利厚生として享受しているものなど)、公的助成(児童手当てなど)があります。一度家計の収入内訳をすべて点検して、全体の収入に占めるこれらの比率を把握してみましょう。

ローンは「住まいにかけられるおカネ」を基準に

あれもこれも積み上げた「年収」からぎりぎりの試算をすると、それらがなくなった時のダメージは大きいものです。住宅ローンを借りる場合の鉄則は、「どのくらい借りられるのか?」という営業マンのような外部の人から見た基準ではなく、「住まいにかけられるおカネはどのくらいか?」という、一人ひとり(家計)の状況に基づいた視点を優先することです。

もちろん、1つの「目安」「参考」として必要とするのは良いと思います。しかし、金融機関から「◎◎万円までローンを組めますよ」と言われると、なぜか安心してしまう方が多いのです。借りればその分だけ後がきつくなることに注意しましょう。多くの場合、営業マンはあなたのライフスタイルまで考慮してくれないのです。購入した直後だけでなく、10年後も20年後も「マイホームを買って良かった!」と思えるような資金計画を立てていきましょう。

北野 琴奈 ファイナンシャルプランナー

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きたの ことな / Kotona Kitano

1974年北海道生まれ。津田塾大学卒業後、会社員を経て独立。実践型FPとして資産運用、住宅、不動産投資・賃貸経営などに関する講演、執筆、コンサルティング等を行う。会社員の頃、資産運用の大切さを実感しファイナンシャルプランナーCFP®資格を取得(日本FP協会認定 CFP®認定者)。同時に夢実現の手段として不動産投資・経営をはじめ、東京を中心に計104室まで保有。海外では米国の物件も手掛ける。テレビ・新聞・雑誌等のメディア出演、取材協力多数。著書に『はじめての人のJ-REIT 基礎知識&儲けのポイント』など。ワイン好きの趣味が高じて「ワインエキスパート」(日本ソムリエ協会認定)の資格も持つ。

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