そんな中、採用方法や採用内訳に対しては、見直しの機運も感じられます。これまでの採用方法では採るべき人を見落としているのではないか、という懸念や危機感を人事の方たちは感じているのです。
特に大企業の人事の方から最近よくお聞きするのが、「多様性」=「バラエティ」という言葉です。母集団のバラエティ化を図り、内定者バラエティを実現することが大きな課題となっているのです。
バラエティとは何を意味するのでしょう。性別、出身学部・学科などの属性情報のみでなく、興味があることや熱中してきたことなど、経験や興味関心について企業は多様性を追求しています。多様な人に支持・支援されるモノやサービスを生み出すには、生み出す側にも多様な視点が必要だからです。
企業が求めるのはイノベーター
かつては総合職で200人というような大枠での考え方が多かったのですが、最近では情報系のテクノロジー人材で少なくとも何人、グローバル対応の人材を何人などと、細分化しています。経営人材や次世代リーダーをどう採用するかも含め、ポートフォリオのように分散して考える企業も出てきました。多様性やバラエティを重視する結果です。
そして、バラエティに富んだ母集団をつくるため、人事の方が直接、大学やサークルにアプローチするなど、従来からのオンライン・コミュニケーションに加えて、オフラインでの接点も強化されています。
バラエティとともに求められているのが「イノベーター」です。イノベーターという言葉を聞くと、新しくゼロから1を生み出す起業家を連想するかもしれません。が、既存のビジネスを、今のやり方にこだわらず、着実に小さな変化を起こしながら、大きく変革させる取り組みも含まれているのです。
大手企業の側も時代の変化に合わせた顧客ニーズの変化に影響を受けます。それに合わせて、既存事業のあり方を疑い、未来に向けて主体的に変革を起こせる人材も当然採用していきたい、と思っているのです。たとえば、学生時代に起業し人脈をつくって自分の看板で勝負をしている学生や、形は違えども主体的なチャレンジを行っている学生は、まさに採用したい人材です。
しかし、確固とした社風がある企業では、社のスタイルにおさまりそうに見えず早々に不採用になっていたり、入社しても企業風土と合わずにすぐに離職してしまったり、という現実があることも否めません。
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