「ネガティブ思考」を断ち切る3つのステップ まずは受け入れることから始めよう
時には、あなたの暗い考え方が有効である場合もあるだろう。しかし、未来に何が起こるかについての予測は有効でない。次のシナリオを検討してみよう。あなたのパートナーがあなたから離れ、別の相手のところに行ってしまったとする。ベックによると、「パートナーは、もう私を愛していない」という考えは正しいかもしれないが、「この先、誰も私のことを愛さない」という考えはおそらく正しくない。
続いて、ネガティブ思考に立ち向かうために、非行動から行動に移ろう。あなたが「愛されていない」と感じて心配ならば、友人や家族と連絡を取ってみよう。仕事で不安を感じるなら、これまでの実績をリストにしてみよう。あるいは、あなたの親友に頼んで、あなたの良いところや優しい人間であるところをすべて手紙に書いてもらおう。そして、その手紙を毎日読み返すのだ。
『幸せになれる脳をつくる』という本の著者でもあるハンソンは、ネガティブ思考を続けることで、何かを成し遂げられるのか自問してみるのもよいだろうと話す。競技場のトラックを走りながら自分の金銭的な問題について考え、解決策を見いだそうとしているのなら、それは役に立つかもしれない。しかし、トラックを何周もする間、次期大統領や海外の危機について頭を悩ませたところで、何も成し遂げることはできない。
ネガティブ思考のために動揺したり、打ちのめされたりしていると感じるならば、一度深呼吸をし、続けてもう一度してみよう。深呼吸のような呼吸の練習は、ストレス反応を低下させ、不安な思いを鎮めるのに役立つ。
脳がネガティブ思考に慣れてしまわないように
もしネガティブ思考のためにひどく苦しんだり、仕事やリラックスすることが難しくなっていると感じるなら、精神医療の専門家を訪ねてみることを検討しよう。特に、認知療法を専門とするセラピストが力になってくれるかもしれない(認知療法とは、しつこく不快な思考に対処するための実践的な方法を教えるものだ)。もし、あなたのネガティブ思考の源が、臨床的うつ病や強烈な不安であるならば、あなたの思考パターンの根本的な原因について専門家と話し、治療法を相談することを勧める。
どのアプローチが自分にとって最も効果的か選別しているときにも、息抜きをして、張り詰めた心を思いやろう。
「ネガティブに考え続けるほど、あなたの脳はネガティブに考えることに慣れてしまう」とハンソンは言う。彼はこう自問することを提案する。「私の思考は自分を強くしているだろうか。あるいは自分を壊しているのだろうか」。
(執筆:Lesley Alderman<コラムニスト>、翻訳:東方雅美)
© 2017 New York Times News Service
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら