池上彰、佐藤優の「ネット検索」驚きの6極意 「グーグル検索」は非効率!どうすればいい?
池上:冒頭でもお話しした「ウィキペディア」は、どうですか?
ウィキペディアは「こう」見る
【3】ウィキペディアは、見ても「参考程度」にする
佐藤:ウィキペディアも、調べたいテーマの概要を押さえるには、確かに便利です。でも、テーマによって内容の信憑性に非常にバラツキがありますね。
池上:ウィキペディアの中でも、特に分量が少ない項目は、誰かが思い込みで書いているだけの不正確な情報である可能性も高いですね。典拠や分量も基にして、総合的に信用できるかを見極める必要があります。
佐藤:ウィキペディアも、ざっと目を通すのはいいんです。ポイントは、あくまでウィキペディアは「参考程度」にして、内容を鵜呑みにせず、ほかの資料で「裏をとる」ことが大切ですね。
【4】語学ができる人は「外国語のウィキペディア」もチェック
佐藤:外国語ができる人は、ほかの言語のウィキペディアでどういう記述になっているか比べるのもいいと思います。
池上:私も調べたい項目によっては、英語のウィキペディアにも目を通すようにしています。外国の人物についてなど、日本語版には情報がなかったり乏しかったりしても、英語版なら充実している項目もありますからね。最近だったら、米フォックスニュースの人気女性ニュースキャスターの「メーガン・ケリー」についての原稿を『週刊文春』に書いたときは、英語版にざっと目を通して情報を得ました。
佐藤:私も、英語版だけでなく、必要に応じて、ロシア語、ドイツ語、チェコ語、朝鮮語版のウィキペディアにも目を通します。特にドイツ語のネット空間は情報が正確で、ウィキペディアの内容も信頼できるものが多いですね。
池上:語学ができる人は、その強みを生かして、「複数のウィキペディア」をチェックするのはおすすめです。
佐藤:日本語版のウィキペディアを見ていて感じるのは、たとえば「鍋」や「ギョーザ」、あるいは「ウズベキスタン料理」といった、食べ物や料理のような話では比較的フェアな議論ができているんです。でも、「慰安婦問題」や「領土問題」になると、フェアな議論とはとても言えません。一方、ドイツ語なら、「料理」も「領土問題」も同じようにレベルが高い。日本語版と違って、「限られた人しか書き込まない」という文化があるんでしょうね。