天才騎手と人気アナ夫婦が向き合う覚悟

命がけで戦い続ける夫を妻は献身的に支える

この日は野菜を中心に11品を購入。一般の家庭なら十分な材料だが、翠さんの買い物は、これでは終わらない。

続いて訪れたのは、自然食品が豊富なスーパー。お目当ては豆腐だ。もちろん先ほどのスーパーにも豆腐は売っているのだが、ここにある北海道産の大豆を使った絹豆腐が食卓に欠かせないという。その他、朝のスムージーに使う、ヘンプパウダーとチアシードなど16品を購入した。

夕飯作りにとりかかる翠さん。そこには、たくさんの工夫が込められていた。キュウリとナスの浅漬けは、ナスを細かく切る。これは、結婚前からナスが大の苦手だった福永騎手が、無理なく食べられるようにするためだ。

メインの料理には、こだわりの食材、ユリネを使用。北海道ならではの食材、ユリネにはリラックス効果があるという。肉体と精神を駆使する福永騎手を、緊張から解き放してあげるための食材だ。翠さんはこのユリネを、低カロリーのインゲン、さらに豚肉と生姜焼きに仕上げた。この日、翠さんが作った体重は管理しつつも、栄養は満点のメニューは全部で9品。遠征でもほとんど外食はしないという福永騎手。その体は、この妻の手料理で守られている。

「全ては夫のために」。翠さんがここまで献身的に尽くすのには、結婚前に決めた、ある覚悟があった。

翠さんは、これから馬に乗る夫と、毎朝欠かさず、あることをする。「行ってらっしゃい。」そして「無事でありますように」の祈りをこめハグすること。まさかのことではあるが、これが最後になるかもしれないことを、2人は覚悟している。

それは、競馬騎手の宿命、落馬だ。乗っている馬から落ちた衝撃によって、大ケガを負ったり、場合によっては命を落としたりすることもありうる。ジョッキーとは命の危険と隣り合わせの仕事なのだ。

交際1カ月で目の当たりにした競馬騎手の宿命

2人の出会いは5年ほど前。当時、競馬番組のレポーターを務めていた翠さんが、海外でのレースで福永騎手を取材したのをきっかけに、2人は交際を始めた。

わずか1カ月後、福永騎手は翠さんへ「両親に会ってほしい」と伝えた。あまりにも早い両親との対面。そこには、妻となるかもしれない人の目に、どうしても焼き付けておきたいある現実があった。

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