レクサス「LS」は最新進化で何が変わるのか 11年ぶりの全面刷新へ、米国ショーで初披露
その結果、メルセデス・ベンツ SクラスやBMW 7シリーズなど、強豪ひしめくFセグメントのフラッグシップサルーンの中でも、突出して先鋭的なスタイリングを獲得したといえる。
最先端の予防安全パッケージが数多く搭載される
今回発表された基幹モデルの「LS500」では、パワーユニットを初代以来引き継いできた自然吸気V8エンジンから、ダウンサイジング時代に適応した新開発のV型6気筒3.5リッター+ツインターボエンジンへとスイッチ。最高出力421ps(310kW)/5200-6000rpm、最大トルク61.0kgm(600Nm)/1600-4800rpmという、先代「LS460」をはるかに上回るパフォーマンスを獲得した。加えて、こちらも新開発となる10段ATを採用。優れた環境性能や快適性、そして切れ味の良い加速をより高次元で両立するという。
そして新型LS500では、レクサスのフラッグシップにふさわしい最先端の予防安全パッケージが数多く搭載されるのも重要なトピックだ。車両への追突、対歩行者、走路逸脱、交差点(出会い頭衝突)という、深刻な事故につながる四つの事故形態をカバーするほか、危険な状態に近づいてしまう前の「注意喚起」の領域でのドライバーへの情報提供から、衝突回避の領域における自動操舵を利用した「操舵回避」まで、事故の防止を支援する新機能を搭載するとのことである。
加えて、自動操舵で衝突回避支援する「プリクラッシュセーフティ」を世界で初めて採用した。進行方向に歩行者が飛び出してきた場合に、車両前方のカメラで衝突の可能性を検知。大型HUD(ヘッドアップディスプレー)に表示することで、従来の警報よりも早いタイミングからドライバーを危険な状態に近づけないよう注意喚起する。
さらにはカメラとミリ波レーダーの情報に基づき、自動でブレーキが作動。ブレーキだけでは回避できないとシステムが判断した場合には、車線内の回避スペースを見つけて自動的に操舵制御。歩行者との衝突回避を支援するなど、現時点で実現可能な安全運転支援システムを可能な限り盛り込んだと、レクサスは説明する。
当代最新のFセグメントサルーンとして、再び世界の最先端に躍り出るにふさわしいスペックが与えられた新生レクサス LS500だが、これまでのレクサスの慣例からすればハイブリッド版や、さらなる先進的なバリエーションモデルの追加も期待できるに違いあるまい。日本車最高のプレステージサルーン、レクサス LSシリーズが見せる今後の展開に注目していきたい。
(文:武田 公実)
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