HR総研の調査によれば、2016年の8~9月にサマーインターンシップを実施したのは、3割の企業だ。「1001名以上」の企業規模では43%が実施しており、手間のかかるインターンシップを実行する能力が大手ほど高い。
次に期間はどうか。経団連の指針に反する半日や1日という短期のインターンシップも46%ある。しかし最も多いのは、「1週間(5日間)タイプ」であり35%、「2週間タイプ」も25%ある。合わせると6割である。指針に違反する短期インターンシップもかなりあるが、それ以上に指針の趣旨に賛同して5日以上を遵守する企業が多い。企業人事にどのようなインターンシップを実施したか、自由記述で回答してもらったところ、その内容は充実している。
夏は充実した内容だが、冬は半日~1日程度
・開発部門に配属して、社員を実際の指導者に付け、社員が行う開発・実験を担当してもらいました。会社で行っている仕事を実際に体験してもらいました(従業員規模1001名以上、メーカー)
・マナー研修・コンプライアンス研修・開発演習・プロジェクト実習・成果発表会(従業員規模1001名以上、情報・通信)
・現在のビジネス環境、当社の既存ビジネス・インフラを基に、社会の課題解決のための新規ビジネスを立案する(従業員規模1001名以上、情報・通信)
・1日目:業務概要の説明及び施設見学。2~4日目:現場実習。5日目:質疑応答、親睦会(従業員規模301~1000名、サービス)
・建築設計実習・測量2日間と建築工事作業所の施工管理補助3日間(従業員規模301~1000名、メーカー)
・1週間の就業体験。打合わせや企画会議への参加、顧客訪問への同行など、営業職の体験をしてもらった。半日型・1日型では、仕事の疑似体験を、ワークを通してやってもらった(従業員規模300名以下、サービス)
一方、1~2月のウィンターインターンシップの実施企業は、サマーインターンシップより少し多くて33%だ。1001名以上の実施率はかなり高く、過半数の57%である。またメーカーより非メーカー系が高い。期間についてはサマーインターンシップから大幅に変わっている。圧倒的に多いのは「1日タイプ」50%と「半日タイプ」40%で合わせて9割に達している。これでは会社説明会に近い。
そして「2~3日タイプ」では23%と激減し、サマーインターンシップで最多だった「1週間(5日間)タイプ」は13%にとどまり、「2週間タイプ」は皆無である。3年生のサマーインターンシップでは「学生に就業体験の機会を提供する」という趣旨に賛成し、企業にとって負担が大きい1週間以上のプログラムを提供する企業がかなりあったが、ウィンターインターンシップでは短期間で多くの学生と接触することを目的としており、年を越した段階から企業人事は採用モードに入っているように見える。
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