躍進「UQモバイル」に見るKDDIの本気とは? 深キョンが踊るUFOのテレビCMで話題
理由の1つはソフトバンクが展開する、安価な通信サービスのブランド「ワイモバイル」が、昨年3月にiPhone 5sを取り扱って人気を博していたことが挙げられる。
加えて大きな理由となっているのは、KDDIのネットワークを使っているがゆえに、対応するスマホがほとんど存在しなかったということ。これは厳しいハンディキャップだった。
KDDIのネットワークは従来主流だった3G(第3世代)の通信方式に「CDMA2000」を採用しているが、この方式はNTTドコモやソフトバンクが採用する方式(W-CDMA)と異なり、世界的にマイナーだ。そこでKDDIは2014年に、LTEネットワークを用いて高音質の音声通話を実現する「VoLTE(ボルテ)」を導入して以降、3G対応のサービスを大幅に縮小。MVNOに提供するネットワークも、現在ではLTEのみを用いたものが主流になっている。
一方で、VoLTEに対応するスマホは世界的に見てまだ多いとは言えず、昨年の秋頃まで、KDDIのVoLTEに対応したスマホは、KDDIの中古端末以外ほとんど存在しない状況が続いていたのだ。ほかのMVNOと比べ、端末面で圧倒的不利な状況を跳ね返すためにも、iPhoneの投入が必要だったといえよう。
KDDIは低価格サービスで出遅れた
UQモバイルの一連の施策にはKDDIのサポートがある。昨年6月にも、両社は家電量販店での販売連携を進めることを明らかにしている。UQコミュニケーションズは、UQ WiMAXで家電量販店での販路開拓を進めてきたが、KDDIのスタッフも協力することで、UQモバイルの販売拡大を進めようとしているのだ。
今年はさらに、音声通話を強化する。2月には回数無制限で5分間の通話がし放題となる「おしゃべりプラン」を提供する予定だ。KDDIグループの企業が展開しているためか、IP電話などを用いることなく通話定額を実現。VoLTEも利用可能で、KDDIユーザー同士であれば高音質で通話し放題になる点も、ほかのMVNOにはないメリットとなる。
なぜKDDIがUQモバイルのテコ入れを積極化しているのか。
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