コンビニ3社が「年末商戦」に力を入れるワケ 弁当が1年で最も売れる書き入れ時
さらに品ぞろえの巧拙も問われる。大晦日になれば年越しそば需要が高まる。親戚や友人同士など人が集まる時期のため、年末年始はデザート商品も年間でトップクラスの売り上げを記録する時期に当たる。
宴会需要が増えるため、お酒類は缶ビールだけではなく、瓶ビールの販売も伸びる。さらに「ハレの日」に合わせ、発泡酒よりはプレミアムビールの販売が増えるという。お酒の需要増に合わせて、おつまみ商品や胃腸系栄養ドリンクの需要にも対応しなくてはならない。
年末年始では需要を先取りした品ぞろえができるかが、コンビニ1店舗の売り上げを大きく左右する。それだけに「年末年始はコンビニの真価がもっとも問われる時期」(セブンの高橋マネジャー)といえる。
三社三様の課題
振り返れば、2016年はコンビニ各社にとって激動の年だった。業界のトップを走ってきたセブンは5月、コンビニを一から作り上げた鈴木敏文会長が電撃退任。社長も商品畑の井阪隆一氏から、店舗運営の長い古屋一樹氏に交代した。ある加盟店オーナーは「経歴を見る限り、社長交代によって現在の商品力が維持できるのか不安」と本音を漏らす。今後の商品戦略について高橋マネジャーは「今年はチルド弁当が成長したが、来年は麺商品をもっと充実させたい」と言う。
9月にはファミマと「サークルKサンクス」を傘下に持つユニーグループ・ホールディングスが経営統合を果たした。国内店舗数ではセブンと同水準の規模に拡大したが、日販(1日あたり1店売上高)では10万円以上の差が開いたまま。商品面では「マスメリットで食材調達が容易になる一方で、数が出ない食材の改廃もありえる」(商品本部の高倉一真マネジャー)。
同じくセブンに日販で10万円超の差をつけられているローソンは、12月22日から筆頭株主である三菱商事がTOBを開始し、同社の子会社となる見込みだ。原材料調達など川上の力を最大限に活用し、品質の高い商品を提供することでセブンとの差が縮められるかが来年のポイントとなりそうだ。
1年でも繁忙期にあたる年末年始を乗り越えた先には、各社にとって三者三様の課題が待つ。2017年もコンビニ大手3社のつばぜり合いは激しさを増しそうだ。
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