しかし、炎上した後に冷静に考えると、Tayは私たちの鏡である。もちろんマイクロソフトにとっては失敗として歴史に刻まれた。ただ、考えるに、それだけ無数の人種差別発言がネットに漂っている事実は重く受け止めたほうがいい。
小売店がなんと9.11にあわせて「ツインタワーセール」なるものをはじめた。これはYouTubeで見ることができる。「Miracle Mattress Twin Tower Sale」とでも検索してほしい。女性が、9.11の15年を記念してセールを開始するといい、そして、アラブ系と思わせる二人の男性とともに絶叫する。
テロ攻撃をパロディにして、それを商業的に使ってしまったのが決定的にまずかった。さらにはコマーシャルでは、そのアラブ系と思わせる二人の男性が、なんと貿易ビルを比喩した二つのマットレスの塔にぶつかって倒れるのである。
犠牲者への不配慮が店を閉店に追い込んだ
9.11の犠牲者を馬鹿にしているとともに、テロの恐怖を思い出させるものとして大炎上した。店はそのまま閉店となり、文字通り「終わった」のだ。
こうしてみると、政治、差別、差別、差別、侮辱、と社会問題に触れ合うもの、つまり無数のひとびとの心を刺激するものが、やはり世界的には炎上しているようだ。このすべてに乗じる必要はない。
ただし、日本ではほとんど報じられることのない、ある種、世界特有の炎上騒動について日本人も知っておく価値はあるだろう。それはいつ日本発で世界に広がるかわからない。グローバルと叫ばれながら、さらに情報が世界を飛び回るといわれながら、いまだに英語という言語のギャップがあるのだから。
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