世界を驚かせた2016年の炎上事件ワースト5 差別や侮辱、人の心を刺激する発信に注意だ

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しかし、炎上した後に冷静に考えると、Tayは私たちの鏡である。もちろんマイクロソフトにとっては失敗として歴史に刻まれた。ただ、考えるに、それだけ無数の人種差別発言がネットに漂っている事実は重く受け止めたほうがいい。

5. ミラクルマットレスの9.11侮辱

小売店がなんと9.11にあわせて「ツインタワーセール」なるものをはじめた。これはYouTubeで見ることができる。「Miracle Mattress Twin Tower Sale」とでも検索してほしい。女性が、9.11の15年を記念してセールを開始するといい、そして、アラブ系と思わせる二人の男性とともに絶叫する。

テロ攻撃をパロディにして、それを商業的に使ってしまったのが決定的にまずかった。さらにはコマーシャルでは、そのアラブ系と思わせる二人の男性が、なんと貿易ビルを比喩した二つのマットレスの塔にぶつかって倒れるのである。

犠牲者への不配慮が店を閉店に追い込んだ

9.11の犠牲者を馬鹿にしているとともに、テロの恐怖を思い出させるものとして大炎上した。店はそのまま閉店となり、文字通り「終わった」のだ。

こうしてみると、政治、差別、差別、差別、侮辱、と社会問題に触れ合うもの、つまり無数のひとびとの心を刺激するものが、やはり世界的には炎上しているようだ。このすべてに乗じる必要はない。

ただし、日本ではほとんど報じられることのない、ある種、世界特有の炎上騒動について日本人も知っておく価値はあるだろう。それはいつ日本発で世界に広がるかわからない。グローバルと叫ばれながら、さらに情報が世界を飛び回るといわれながら、いまだに英語という言語のギャップがあるのだから。
 

坂口 孝則 未来調達研究所

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さかぐち・たかのり / Takanori Sakaguchi

大阪大学経済学部卒。電機メーカーや自動車メーカーで調達・購買業務に従事。調達・購買業務コンサルタント、研修講師、講演家。製品原価・コスト分野の分析が専門。代表的な著作に「調達・購買の教科書」「調達力・購買力の基礎を身につける本」(日刊工業新聞社)、「営業と詐欺のあいだ」(幻冬舎)等がある。最新著は「買い負ける日本」(幻冬舎)。

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