狙い目!「おトク度が高い」私立中学はここだ 偏差値やブランド力だけで選ぶのは損

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数年前から中学入試で特別奨学生入試を開始し、入試得点上位者だけで作るクラスを設けるようにした。今年度はその一期生が卒業を迎える。今年度の大学入試、どのくらいの伸び率になるのか期待が高まる学校だ。

学力向上に舵を切った女子聖学院

女子聖学院の正門

創立111年を迎える都内の伝統女子校のひとつ、女子聖学院にも注目したい。同校は、数年前より学力向上に舵を切り始めた。具体的には、同校教員が授業後や長期休暇中などに開講する「JSG講座」を開設。さらに放課後学習支援センター「JSGラーニングセンター」も設置している。

個別ブース117席、満席の場合はLL (Language Laboratory:言語実習)教室とPC教室も開放し、213席を確保する。自習室の利用は中1が午後6時(希望者は午後7時まで)、中2~中3が午後7時、高1~高3が午後8時まで。センター専属の講師が入退室をチェック、希望があればその日の授業の復習や予習、演習用のプリントを出してくれる。

進捗具合は個別のファイルで記録、チューターも常駐し、わからない所があれば質問することができる。講座と自習室の利用は学費に含まれているため、費用の追加徴収はない。有料のオプションで受験対策に詳しい講師によるマンツーマンの指導を受けることもできる。

1学年120人ほどの同校、定期考査期間は個別ブースは常に満席

「生徒へのアンケート調査の結果、学校から帰宅後すぐに予備校に登校する生徒が多かった。大きな駅前の予備校に通う生徒が大半で、予備校へ通うのにも時間がかかる。“学校の自習室がもっと使えたら”という生徒からの声もあり、それならばと、自習室の開室時間の延長、個別ブースの整備、講座の充実をはかりました。上質な学習環境を整備し“入って伸びる女子聖学院”を目指しています」と同校教頭・進路指導部長の塚原隆行教諭は話す。これらの仕組みを導入して以降、通塾率が減り、結果が少しずつ見え始めているという。

現在の高校3年生が中3の時に、JSG講座が開講。ラーニングセンターは昨年の9月から稼働した。女子中高一貫校の場合、入学後の模試の成績は一般的に中2、中3でゆるやかに下降していくことが多いといわれるが、現在の高3生は伸びが止まることなく、徐々に上昇を続けていると言う。

有料の個別指導は大学入試に向けての対策を希望する生徒が多い

今春の卒業生の中には講座と自習室の利用で中学入学時40台の偏差値から早慶に合格した生徒も出た。講座、自習室の両方を中1から享受できたのは今年度の入学生からだ。1年でも結果を出しているだけに、6年での成果に期待が高まる。

この威力に気づいた保護者は少ないのか、2017年度中学入試でも模試の結果は今のところそれほど高い偏差値ではない。昔から定評のある英語教育に加え、アクティブラーニングなど新大学入試対策にも早くから力を入れており、今後、進学実績は躍進すると予想される。高校入試はなく完全中高一貫校のため、“今が狙い目”と言えるだろう。

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