狙い目!「おトク度が高い」私立中学はここだ 偏差値やブランド力だけで選ぶのは損
ところが実際のところ、偏差値的な人気校にはこうした機能、手厚い指導は期待しにくい。中学受験に詳しい、中学受験情報雑誌『私立中高進学通信』の元編集長の富田亮氏は「授業がしっかり理解できていれば、補習の必要はない、というのが上位校の基本的な姿勢」と指摘する。ただ、上位校にギリギリの成績で入学した生徒の場合は大変だ。授業についていくために結局通塾が必要になってしまう。
そこで注目したいのが、偏差値がそれほど高くなく、かつ生徒数に対して先生の数が比較的多いなど指導が手厚く、中学偏差値よりも高校偏差値が上がっている中高一貫校だ。きめ細かな指導が期待でき、入学後に大きく伸びる生徒が多い。
また、今の中2が大学入試をする頃には、新大学入試により、入学基準が変わる。現在の偏差値の高いブランド校より、サポートが手厚い学校のほうが得になる可能性もあるのだ。
では、まだ人気爆発まではしておらず、学力的な支援が手厚い注目の学校はどこなのか。私立校の取材をしてきた筆者がこれはと思う男子校、女子校、共学校それぞれ1校ずつを紹介したい。
偏差値30台から東大現役合格を出す足立学園
まずは足立区にある中高一貫の男子校、足立学園。2014年度には現役東大合格者を2人出し、コンスタントに国公立、有名私立大学へ入学者を出している。中学の募集人数は140人。
驚くべきは東大現役合格者の中学入学時の偏差値。東大に合格した2人ともが入学時は30台後半という偏差値だったというのだ。同校は教師が教える授業後の講座の豊富さや自習室整備が特徴なのだが、それらをフルに活用。6年後に見事東大合格を勝ち取った。
大学入試直前の12月に開校する「直前ゼミ」は予備校も驚く113講座のラインナップ。定期考査終了後、通常授業はなく、生徒は必要に応じてこの講座を受講する形となる。講座は冬休み中も開講、学費に講座費用も含まれているため、別料金の徴収はない。
「生徒のスイッチはどこで入るかわかりません。生徒のやる気を出させるためにあらゆることをしてあげたい。本校教員が講座も担当するため、教員側の負担は増えますが、教師とは生徒の成長を助けるのが仕事、苦ではない」。そう話すのは同校進路指導部長の馬止久之教諭。
個別ブースの自習室は、都内最大規模の260席を確保、朝7時から午後8時まで(中学生の利用は午後6時まで)利用できる。放課後の講座と自習室の活用で成績を伸ばす生徒は多く、昨年度も筑波大学に現役合格者を2人輩出、難関私立大学へも多くの生徒を送り出している。
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