狙われた「羽田」 視界不良の攻防戦

国交省が示す嫌悪感 外資規制の動きも

 空港ビルは日本航空や全日本空輸、三菱地所など外部出身者が役員に居並ぶ。同様に株主構成も多彩で、1割以上を保有する大株主が不在だった。ところが、最近になりマッコーリーに加え、フィデリティ投信による13・6%の株式保有も判明。この2社が25%超を握るという事態に陥っている。経営陣にとって頼みの綱は20%以上の株式買い付けを行う株主に対する買収防衛策(今年5月導入)。しかし、先手を打つようにマッコーリーは海外事業を例に挙げ、「乱用的買収者」ではないことを会談で示唆したようだ。  
 実際、傘下にあるシドニー空港は今後10年で1700億円を投じ国際線ターミナルの再開発や滑走路拡充を予定。ブリュッセル空港でも10年間で600億円を投じる計画を持つ。だが一方で、シドニー空港は使用料が7割も値上がりし、カートが有料化され、バスやタクシーは入場料が課されるようになったという。ほかの空港も値上げが行われるなど、「(マッコーリーの)評判はよくない。不満を持つ関係者は多い」(航空会社)との声が漏れる。国交省幹部は「単に料金値上げにつなげる狙いがみえる。羽田は国有地であり、公共性が高い。そこで吸い上げた利益が外資に流れるのはどうかと思う」と嫌悪感をあらわにする。  

 国交省は「日本の玄関を守る」と意気込む。来年の通常国会には空港整備法を見直した新法案を提出する予定で、空港会社に対する外資規制も盛り込む算段だ。マッコーリーは投資を「長期的視野に基づいている」としており、一定の発言力を握るため、買い増しに動くのは必至。「資本の論理」と「公共性」。羽田をめぐる「外資」と「官」の攻防はさらに激しくなりそうだ。    

(書き手:冨岡 耕 撮影:尾形文繁)

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