実際、大手生保の営業職員在籍数と採用数を比較すると、数字の上では5年程度で全員が入れ替わるような計算結果になります。男性中心の営業部門を組織している外資系保険会社でも、平均勤続年数は10年に達していません。数年で退社する人が多数派なのです。
こうした事実から、私は、営業担当者が一生涯にわたりお客様にコンサルティングやアフターフォローを行うことの価値を説く保険会社の「本気度」を疑い続けてきました。歩合制の報酬体系である以上、大量採用と大量離脱の繰り返しになることを歴史が証明しているからです。
他の業界では、固定給の営業職はまったく珍しいことではありません。長期の契約を扱う保険業界ならば、それなりの固定給が約束された営業担当者を終身雇用するのが当り前、といった考え方を実践する保険会社の存在は、お客様にもありがたいのではないでしょうか。
健康上の問題から通常の保険に入りにくい方も
2016年は、商品に関しても歓迎すべき動きがありました。たとえば、アクサダイレクト生命の「はいりやすい定期」です。向こう10年間1000万円など、一定期間・一定額の死亡保障が持てる保険で、健康上の問題から通常の保険に入りにくい方も、保険契約の引き受け基準を緩和することで加入しやすくなっています。
私は、持病や既往症がある人向けの「医療保険」などは評価していません。給付金の額が高額になりにくいと考えているからです。入院1日あたり5千円や1万円といったおカネであれば、自己資金で対応するほうが合理的なはずです。
契約の引き受け基準を緩和した保険では、通常の保険より加入者の保険料負担が重くなるので、保険加入はおカネを用意するための一つの手段であって目的ではない、と強調しておきたいのです。
ただ、子育て世代などが利用したい死亡保険の場合、「入りたくても入れない」人は少なくなってほしいと思います。医療保険などより多額のおカネが絡むことになると予想されるからです。
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