「宝塚すみれ発電」が急成長を続けている秘密

「市民発電所」が目指していることとは?

宝塚すみれ発電のメンバー。前列左端が井上社長(写真:宝塚すみれ発電)

そして2013年5月、合同会社宝塚すみれ発電所を設立しました(同年12月株式会社宝塚すみれ発電へ改組)。そして、同じ年の11月には、お寺の境内地に「宝塚すみれ発電所第2号」を完成させました。

県民まちなみ緑化事業を利用して、オタフクナンテンを1020本植えた緑の発電所です。資金は、銀行融資と社債で調達。2014年からの2年間では、年間発電量約5万kWh、売電実績約220万kWhといったところです。

第3号は、発足当時から後押ししてくれた宝塚市との連携で建設しました。「宝塚市市民発電所モデル事業」として、宝塚市山手台地区に2015年3月に完成。資金は、宝塚市再生可能エネルギー基金、及び兵庫県地域主導型再生可能エネルギー導入促進事業などから1000万円以上を無利子で調達できました。昨年の実績は、発電量約4万7000kWh、売電実績は約160万円でした。

なお、こうした発電所作りに協力してくれた市民の方からは「孫2人の名前で出資しました。この子たちの未来を守りたいから」(70代自由業)、「原発はいらない、というだけじゃなくて、自分たちで代替エネルギーを作ろうという発想がいい」(30代自営業)など、励ましの言葉も届いています。

市民発電所はエコ産業でもある

ソーラーシェアリングによって「農業、農地を守る」ことができる(写真:宝塚すみれ発電)

そして2016年、待望のソーラーシェアリングモデルの市民発電所が稼働します。冒頭に述べた「第4号発電所」です。

従来、農業は収入が不安定で、会社勤めとの兼業農家でないと生活が苦しい、といった問題が言われてきました。ソーラーシェアリングによって農業収入に安定的な売電収入が加われば、後継者問題の解決や食料自給率の低下に歯止めを掛けられる可能性があります。ソーラーシェアリングによって「農業、農地を守る」ことができるのです。この市民農園の試みから、さらに広くソーラーシェアリングのムーブメントが広がれば、と思います。

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