「宝塚すみれ発電」が急成長を続けている秘密

「市民発電所」が目指していることとは?

ただ、ソーラーシェアリングはまだ歴史が浅く、農地に陽光が届くよう太陽光パネルを一定の間隔を置いて設置しているものの、収獲量や品質への影響はまだ手探りの状態です。農林水産省も、ソーラーシェアリングのための農地転用の条件として、一定の基準に基づいた品質の確保と収穫量の報告を義務付けています。

そこで、今年は手入れが簡単で太陽光減少の影響が少ないと考えられるサツマイモ3種類を栽培することにしました。農作物への影響の研究には、地元の甲子園大学が協力。フードデザイン科の学生たちは月2回、畑を訪れ、葉の大きさや土の温度などを測定しました。

10月末には、「すみれ発電所」のメンバーと甲子園大学の川合眞一郎学長や学生たちが、一緒にサツマイモを収獲。学生たちは「パネルに陽光を遮られても、サツマイモの成長は順調でした」と振り返っています。今後、ソーラーパネルの無い畑でとれたサツマイモと糖度、味を比較するなどさらに研究を続ける予定です。

原発に頼らない!手作りの「市民発電所」が稼働

原発に頼らずに暮らしたい、との思いを強くした井上保子社長。事務所前にて(写真:筆者撮影)

元々は、「原発の危険性を考える宝塚の会」が1981年に設立されたことに始まります。そして、恐れていたことが現実化。福島原発事故が2011年3月に発生しました。井上社長は、原発に頼らずに暮らしたい、との思いを強くします。

その思いを一歩進めて、2012年冬に、みんなで電気を作る仕組みを作りました。宝塚北部西谷地域の耕作放棄地に、市民の仲間たちと手作りの「市民発電所」を完成させます。資金は、疑似私募債(NPO法人が発行できる少額私募債)で調達しました。それから4年、小さな発電所は昨年まで、年間発電量約1万kWh、同売電実績45万円弱で推移しています。

「市民発電所」とは、自分たちの地域に、身の回りにある再生可能な資源を利用して作った発電所のことです。作るために必要な資金はできるかぎり地域の人たちが出し合い、それによる果実はお互いで分け合います。この活動は、非常時に地域へのエネルギーを供給する設備を持つことを目的としています。言ってみれば、エネルギーの地産地消です。この北部西谷地域の発電所は、宝塚市内初の市民発電所になりました。

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