海外留学を「カネで迷う人」は働ける国へ行け 語学ができなくても大丈夫な3大留学先

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日本では意外と知られていないかもしれない。それがオーストラリア、ニュージーランド、アイルランドの3カ国だ。それぞれの国における「働きながら留学する」実状を見てみよう。

「元祖」語学留学生が働ける国、オーストラリア

オーストラリアは英語圏のなかでは語学留学生にアルバイトを許可している先駆けの国だ。フルタイム(週25時間)の授業を受講し学生ビザを保持していれば、週20時間までの就労が認められている。コースとコースの間の長期休暇中は無制限に働いても良い。

学生は80%以上の出席率を義務付けられているため、もちろん、アルバイトは学業に差し障ってはいけない。あくまでも、学生生活の補助となる稼ぎを得るためと心得たほうが良い。

昔から留学生のアルバイトを認めてきた歴史があるから、学校側も慣れている。語学学校というのはおおむね、月曜日から金曜日の週5日間授業を行い土日は休み、というのが通例ながら、オーストラリアのある語学学校の例では、月曜日から木曜日までに週25時間を実施し、金・土・日の3日間を休みにしている。学生は学校がある日は学業に集中し、金~土の3日間を使って、アルバイトをしたり、体を休めたり、次週の予習をしたりできる。

日本食レストランやお土産物屋など、英語力が不足している人にも働ける機会はある。

オーストラリアの最低時給は2016年現在で17.7オーストラリアドル(約1512円)。日本と比べるとかなり高い時給に感じるが、実際には税金などが差し引かれて手取り額は変わるし、外国人に対しては語学力の足りなさなどを理由に足元を見て、最低時給を守らない雇用主もいる。

日本人留学生のなかには、やたら能力を発揮して「バイトリーダー」的役割を任されて30ドル近い時給を得る人や、日本における専門的職歴が功を奏して35ドルの時給を得る人などもいるとはいえ、そのような例に当てはまらないかぎり現実的な時給は12~20ドル程度を想定しておくと安全だろう。

ざっくりとではあるが、どのくらいをアルバイトで賄えるか計算してみよう。先述の賃金レベルで1カ月(週20時間×4週間)就労した場合の稼ぎは、1オーストラリアドル=86円で計算すると約8万2560円~13万7600円。これで月々の生活費は賄えるだろうか。

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