海外留学を「カネで迷う人」は働ける国へ行け 語学ができなくても大丈夫な3大留学先

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なお、ニュージーランドでアルバイトできるのは、質の良い学校で真剣に学ぶ気のある人だけだ。というのも、就労可能な権利のある学生ビザは、政府が定める優良校グループ「カテゴリー1」に分類されている学校への留学にのみ発給されるからだ。ニュージーランドでは教育機関のカテゴリーを一定の基準に基づいてカテゴリー1~4に分けており、カテゴリー1に分類されているのは最優良と認定された学校だけである。就労が第一目的ではなく、きちんと学ぶ気概のある「質の良い学生」を歓迎するという国としての姿勢が見られる。

学生ビザで働ける欧州、アイルランド

欧州に関心がある留学生には、アイルランドがある。

政府公認校でフルタイム(週15時間以上)のコースを、最長8か月(授業期間25週+ホリデー10週)登録して学生ビザを取得した留学生は、週20時間のアルバイトが認められている。また、6月~9月と12月15日~1月15日の期間中は週40時間まで働いてもOKだ。

2016年のアイルランド最低時給は9.15ユーロ(約1112円)。オーストラリアやニュージーランドと比べると日本食レストランなどは少なく、英語環境のもとで仕事を得る必要がある。

アイルランドのメリットとしては、先述した最長8か月の滞在許可を、あと2回延長することが認められていること。これによって最長で約2年、長くじっくり腰を据えて滞在したい人が行きやすくなっている。焦らずにアイルランドへの移住や進学を模索したりする期間とできるだろう。

留学実現を阻む要因として「おカネ」を挙げる人は少なくない。むしろ、「潤沢な資金があります」という人のほうが少数派だ。

本来「資金」という物理的問題については、具体的なアプローチによる解決が可能である。しかし、資金不足を口にして具体的に解決を試みない留学希望者は少なくない。留学する不安から、怖い挑戦を回避したいというメンタルの問題を覆い隠しているのだ。そういう人はたいてい、学生ビザで働く権利があることを知っても「でも現地で仕事につける保証はないでしょ?」と言う。一方で留学をあきらめる気のない人は、働く権利を手に入れた時点で、もう片道切符を手に入れた気持ちになるものだ。

もちろん、先述の国々でアルバイトがみつかるという保証はないし、文化も習慣も違う日本人が易々と仕事に就けるほど甘くはない。仕事がみつかるかどうかは現地での需要のほかに、語学力だけじゃない個々の経験や魅力、そして運とタイミングなのだ。そして運とタイミングは、実行に移した人にのみ訪れるものである。
 

若松 千枝加 留学ジャーナリスト/ウィッシュ・ウッド代表取締役

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わかまつ ちえか / Chieka Wakamatsu

留学ジャーナリスト。株式会社ウィッシュ・ウッド 代表取締役。留学ウェブマガジン『女子Ryu』主幹、留学ニュースサイト『留学プレス』編集長。留学・ワーキングホリデーの社会への普及のため各種媒体に記事を寄稿するほか、留学カウンセラーの健全化・育成のため一般社団法人 日本認定留学カウンセラー協会で幹事として活動。

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