都議会公明党が自民党に決別を宣言した真因 何が公明党を怒らせたのか

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そもそも東京都議会は、1955年の統一地方選で議席を獲得して以来、公明党にとって国政以上に重要な意味をもっていた。たとえば党最高顧問を務めた藤井富雄氏は、1963年から2005年まで11期にわたって都議を務めたベテランで、野中広務氏や古賀誠氏など自民党の大物政治家からも一目置かれ、国政にも大きな影響を及ぼした。

そんな重要な意味を持つ都議会選において1度ならず2度までの自民党が第2の候補をぶつけてくることに我慢をできなかったのだろう。

ではこれから都議会公明党は都議会自民党を離れ、小池知事側に付くのだろうか。

小池知事は、確かに都議会公明党に期待を寄せているようだ。都知事当選直後から、直接間接を問わず「与党にならないか」と都議会公明党に呼びかけていたという。

そして第4回東京都議会定例会の最終日である12月15日、小池都知事は恒例の挨拶回りで、都議会自民党と都議会公明党とで対象的な態度を見せた。

「次回も宜しくお願いします」――。小池知事は都議会自民党には形式的な挨拶だけで控室を後にした。小池知事から握手の手は差し出されず、自民党の都議たちも求めなかった。もちろん記念撮影もなく、小池知事の滞在時間はわずか10秒。

一方で都議会公明党の控室では、小池知事は出迎えた都議ひとりひとりと握手を交わし、満面の笑顔で一緒に写真に収まっている。この差はきわめて大きいといえるだろう。

「希望の塾」との調整が課題に

では都議会公明党は小池都政の与党になるのだろうか。これも選挙を考えれば単純には判断できない。というのも、小池知事の“希望の塾”には民進党系の元都議などが参加しており、次期都議選で出馬を予定しているからだ。彼らは選挙では小池知事の応援を期待しており、小池氏も塾生にはサポートする意向を示している。そうなれば、都議会公明党の候補とぶつかる可能性もある。実際に上記の目黒区では、民進党系の伊藤悠元都議が希望の塾の塾生だ。

そんな中、筆者は公明党のある都議から「もともと地方自治の議会は是々非々」との趣旨が書かれたメールを受け取った。そこには覚悟とともに、冷静な判断が見てとれた。

2017年の都議選まであと半年。これからも、さまざまなドラマが展開されることになりそうだ。

安積 明子 ジャーナリスト

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あづみ あきこ / Akiko Azumi

兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。1994年国会議員政策担当秘書資格試験合格。参院議員の政策担当秘書として勤務の後、各媒体でコラムを執筆し、テレビ・ラジオで政治についても解説。取材の対象は自公から共産党まで幅広く、フリーランスにも開放されている金曜日午後の官房長官会見には必ず参加する。2016年に『野党共闘(泣)。』、2017年12月には『"小池"にはまって、さあ大変!「希望の党」の凋落と突然の代表辞任』(以上ワニブックスPLUS新書)を上梓。

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