日本株は15日のFOMC終了後どうなるのか 為替はいったんドル高円安終了の可能性も

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結局、市場はFRBのメッセージをどうとらえるのだろうか(写真:AP/アフロ)

ついにドル円相場が一時1ドル116円をつけました。116円台というと、2012年末から始まったアベノミクス相場の大幅な円安局面で、積もり積もった円売り超(円買いよりも円売りの方が多い状態)のポジションが、今度は逆に円買い超(円買いの方が、円売りよりも多い状態)のポジションに変わり、円高が加速し始めた水準です。

ドルは「戻りの限界水準」まで到達、円高へ?

チャート上では「円安トレンドが円高トレンドに変わった」と、多くのテクニカルアナリストが判断した水準と一致します。テクニカル面ではいわゆる「ネックライン」という需給の節目ともいえる水準で、今年の1月20日に付けた安値115.98円、8月24日に付けた安値116.18円を1本の線で結び、それを延長すると12月12日に付けた116.12円にピッタリとあうことがわかります。ある意味、チャート上では戻りの限界水準といえるのです。

筆者は円安・株高のピークは先週を予想していましたが、ネックラインまで戻り切ったことを理由に、再度ここでドル円相場に関しては目先の円安のピークを打った可能性が高いことを強調したいと思います。ですので、テクニカルアナリストとしては、どんな材料があろうがなかろうが、円高の判断をしなければいけない局面です。

今週は、米利上げ実施がほぼ織り込まれている13日-14日のFOMC(連邦公開市場委員会)とイエレンFRB議長会見を受け、金融市場がどのように反応するかが注目ポイントです。

しかし「織り込まれているから市場は動揺しない」と多くの関係者がいうほど、市場はそんなに甘くはないと思っています。それは今年サプライズの結果となった、ブレグジットや米大統領選挙の結果後の市場の反応で思い知らされたことでしょう。イエレンFRB議長の会見内容が伝わるのは日本時間の15日の早朝4時ごろです。当日は、安倍首相とプーチン・ロシア大統領の首脳会談などもあり、もしイエレン発言で市場が動いたとしたら、会談内容がその動きを助長する可能性もあり、ボラティリティ(変動率)が高まる1日になることが予想されます。

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