日本株は15日のFOMC終了後どうなるのか 為替はいったんドル高円安終了の可能性も

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今の「トランプユーフォリア(陶酔)」の反動が起きうる危険信号は2つあります。1つ目は、金価格の動向ではないかと思っています。NY原油先物とNY金先物の相関関係をみると、現在は逆相関が強い状態にあります。

逆相関というのは、両者が逆の動きをする局面であるということです。原油は年初から上昇基調を保っている一方、金の方は夏場から大きく下げていますので、肌感覚でなんとなくおわかりいただけると思います。逆相関の局面は短期的に続くことが予想されます。

例えば、NY原油相場はOPEC(石油輸出国機構)とロシアなどの非加盟国が15年ぶりに減産に合意したことで上昇期待が高まっており、短期的には1バレル=57ドル程度まで上昇するだろうと思っています。一方、NY金先物は夏場に付けた高値からの調整局面にありますが、下値のフシに到達してきており、そろそろ金価格の自律反発が予想されます。ということは、NY原油相場の上昇一服後は、原油価格の下落・金価格の上昇といった、リスク回避の局面に変わることが予想できます。

強気が続いた上海相場が下落に転じる懸念

2つ目は、中国の上海総合指数の下げ幅が大きく、動きがあやしくなってきたことです。情報が伝わりにくい市場ですが、足元の急速な下げは何を意味しているのでしょうか。この記事を執筆している現在も、気づきがありません。

ただ、上海総合指数を月足でみると、6月以降は安値を切り上げ続けてきましたが、12月相場の下げで近づきつつある11月の安値(3094ポイント)を下回ってしまうと、これまで半年続いた強気相場のバランスが崩れることになります(12月14日現在は3140ポイント)。そうなると、年初に起きた中国株ショックの二の舞になりかねないか、少し不安です。
  
東京株式市場の方は、ドル円相場の頭打ちのタイミングに合わせるように、マザーズ指数が反発基調を強めています。マザーズ市場は内需の成長株が多いため、円安メリットを相対的に受けづらく、円安・株高局面では蚊帳の外といった状況だったわけですが、円安が止まると必然的に目が向きやすくなります。

また、ちょうど、新規上場(IPO)にともなう年内のブックビルディングが終了したところです。自動運転関連のZMP社の上場延期以降、ブックビルディングで拘束されていた資金が新興市場に戻ってきているようです。FOMC通過後は、主力大型株からマザーズ市場を中心とした小型株シフトが起きるとみられます。ただ、小型株相場はそんなに長くは続かないのではないでしょうか。すぐに主力大型株に回帰する展開が予想されます。そこでポイントになるのは、海外投資家の動向です。

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