小池知事を支える7人の侍は「善」といえるか 「悪の自民都連vs善の小池グループ」ではない
というのも、民進党都議団とかがやけTokyoは、もとはみんなの党に所属していた同士だったが、2013年の都議選後に両者は決裂。これは同年の参院選にも禍根を残し、みんなの党の崩壊のひとつの原因にもなったという経緯がある。
これを解決して、都議会では民進党はまるごと小池知事と共闘できるのか。2つの会派をまとめるとすればそれは蓮舫代表の役割にならざるをえないが、それだけの力量を蓮舫代表は発揮できるのだろうか。
さらに深刻なのは、小池知事のおひざ元でくすぶる政務活動費不正支出問題だ。12月6日と9日に開かれた豊島区議会議院運営委員会で、以下の3点について討議された。
【陳情24号】自民党豊島区議団・河原弘明議員の不適切な政務活動費使用疑惑に関する陳情
【陳情26号】豊島区議会政務活動費取扱指針を逸脱した支払いを関係会社に5年で1080万円余を受けた河原弘明区議会議員の辞職勧告決議を求める陳情
【陳情27号】河原議員が専務取締役を務める会社へ自民党豊島区議団及び所属議員のうち吉村辰明、里中郁男、本橋弘隆、村上宇一、竹下ひろみ、河原弘明、磯一昭、星京子、細川正博、池田裕一、松下創一郎、有里真穂、藤澤愛子の各議員及び堀宏道前議員が、経費支払いに用いた政務活動費の自主返還と政務活動費の在り方の検討を求める陳情
このうち、河原区議と里中区議、本橋区議、星区議、細川区議の5名は小池知事の側近である「7人の侍」のメンバーで、本橋区議は「希望の塾」の代表でもある。
誰が悪で誰が善なのか
9日に開かれた議運では自民党区議団の副幹事長を務める星区議が求められていた資料を提出したが、それを読んだ日本共産党豊島区議団の渡辺くみ子幹事長は「政務活動費取扱指針について訓令を出したのは、自民党の村上宇一議長の時だった。これが自民党全体の認識なのか」と語り、「指針の前から宗教法人や政党活動には使ってはならないと示されていたはず。あまりにもお粗末だ」と批判した。
区議団公明党の木下広幹事長も、「昨年も自民党区議が地元の祭事の運営組織に寄付を行った事件(公職選挙法に抵触)で警察の捜査が入ったことがある。結果的には不起訴となったが、またこんな事実が発覚したとは、全く反省がないとしかいいようがない」と怒りを隠さなかった。さらに「この件がテレビで報道されたが、河原区議は『小池さんに迷惑をかけては申し訳ない』と述べるにとどまり、有権者に対しては謝罪どころか何の言及もなかった。全くどこを向いているのか」と呆れ果てた。
自民党東京都連による「7人の侍」の除名は「悪の自民党東京都連vs善の小池知事と侍たち」の構図として報道されたため、小池知事は「彼らを守る」と言明した。だがこの問題は誰が悪で誰が善なのか。またこうした問題を抱えつつなお、小池知事は彼らを庇いきることができるのか。
夏の都知事選では熱い闘いを見せてくれた小池知事だが、この冬はその周辺が炎上し続けるに違いない。
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