結局は都民が負担?膨らむ五輪費用の行方 上山顧問「都や組織委はもっと情報公開を」

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都民ファーストを掲げる小池都知事は、開催費と都民の負担をどこまで圧縮できるか(撮影:尾形文繁)

これまで闇に包まれてきた東京五輪の開催費。9月に都の調査チームが示した試算額は、都民だけでなく全国民に大きな衝撃をもたらした。

2013年1月、招致委員会がIOC(国際オリンピック委員会)に提出した「立候補ファイル」で見積もった費用は約7340億円だった。

立候補時の見積もりは会場となる建物の工事費などに限られるため、過去の大会でも、その後の費用は膨らむ傾向にあった。だがそうした事情を考慮しても、約4倍に膨れ上がった額に対して、経緯や理由をめぐる疑問は尽きない。

「海の森水上競技場」は69億円が1000億円超に

たとえばカヌーやボートの会場となる「海の森水上競技場」の整備費は、立候補時の69億円から一時1038億円まで膨らんだ(現行計画では491億円まで圧縮)。予定が狂ったのは、開催決定後の調査で地盤の弱さが判明したためだ。

11月1日に行われた調査チームの報告では、カヌー・ボート会場は現行計画からさらに328億円まで削減できる、など複数案を提示。水泳・バレーボール会場を含めた3会場で、現行計画から最大440億円の削減が可能とした。小池百合子都知事はこれらの案をもって、IOCなどとの絞り込みの作業に臨む。

ただそれも3兆円という全体からすれば微々たるもの。総費用のうち大きな比重を占めるのは、大会運営や警備などのソフト費用にある。

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