小池知事を支える7人の侍は「善」といえるか 「悪の自民都連vs善の小池グループ」ではない

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12月7日に開かれた都議会本会議で、代表質問に立った崎山知尚都議が事前通告なく28の質問をぶつけ、9問しか答えられない小池知事の答弁が一時中断するという異例の事態が発生。これは小池知事が200億円規模の「政党復活予算の廃止」を各政党の事前の根回しなくぶち上げたことに対する“報復”と見られている。

「政党復活予算」とは、原案になかった事業を予算案に盛り込むもので、自民党の「権力の源泉」ともいえるもの。まさに都議会は戦場と化したのだ。

当の小池知事はこれらを見越して準備を整えていた様子もある。11月29日には東京都庁の側のホテルで開かれた「都民とともに進む!都議会民進党の集い」に参加し、12月6日に開かれた「柿沢未途君を励ます会2016&野上ゆきえ都政報告」でも挨拶した。つまり、民進党系に対してもウイングを広げた格好だ。

かねてより民進党は小池知事に秋波

これを最も喜んだのは民進党の蓮舫代表ではないだろうか。蓮舫代表は9月の代表就任直後に小池知事に会った時、「できることがあれば協力したい」と秋波を送っているが、12月11日にはさらに踏み込んで、「一緒に相互的に協力できるものがないだろうか、そういう道も探ってみたい」と記者団に語っている。

そこには、小池人気に便乗して低迷する民進党の支持率の上昇につなげたいという思惑が見える。だがうまくいくのだろうか。

東京都議会は、東京都議会自民党が60名、都議会公明党が23名、日本共産党東京都議会議員団が17名、都議会民進党が14名、民進党都議団が4名、かがやけTokyoが3名、都議会生活者ネットワークが3名、無所属3名の計127名という構成。小池知事が主としてターゲットにするのは公明党と民進党系の2会派で、公明党には「与党になってほしい」と打診している。

都議会民進党については、目黒区選出の前都議の伊藤悠氏らが希望の塾に入塾しており、連携は進みそうだ。しかし野上都議が所属する民進党都議団はどうだろうか。都知事選の時から小池知事を応援し、希望の塾でも運営に携わっているかがやけTokyoとの関係を見れば、たやすいことではないように思える。

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