セルジオ越後、本田のスタメン外しを斬る! 日本代表のスタメンであるために必要なこと

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

それなのに、なぜ、このタイミングで決断したのか。それは、ハリルホジッチ監督に「サウジアラビア戦で負けたらクビになるかもしれない」という危機感があったからでしょう。チームも追い込まれていたけれど、監督も追い込まれていたんです。

9月にUAE戦を落として以来、「解任論」が報じられるようになりましたが、メディアがこうしてしっかりとプレッシャーをかけたからこそ、監督のお尻に火がついて、重要な決断につながったのだと思います。

日本の場合、メンツがかからない場面では…

――かつてフィリップ・トルシエ監督が日本代表の指揮を執っていたときは、ワールドカップが地元開催だったために、予選がなかったという面があるにせよ、要所ごとにノルマが設けられ、トルシエ監督は絶えずプレッシャーを受けていました。そのノルマをクリアしていく中でチームも強くなっていきましたが、今はノルマが設けられることがありませんね。

これは日本でよく見られる傾向ですが、地元開催など、メンツのかかったことだと必死になって頑張る。でも、そうじゃないときは責任の所在があいまいになり、なあなあになるんです。

日本サッカー協会としては、なまじノルマを設けて、それをクリアできなくて解任なんてことになれば、任命責任が生じてくるので、自分たちの首を絞めることになりかねない。だから、ノルマを設けず、とりあえずワールドカップに出場できればいい、といったところでしょう。

そのためか、最近はよく「目標はワールドカップ出場」と言うじゃないですか。これでは、ワールドカップには出られても、上位に進出できないですよね。だからこそ、メディアがしっかりとチェックしなければいけないんです。

別に、いつもたたけと言っているわけではなりません。よいときは褒めて、ダメなときはしっかりと批判すればいい。そう言うと、日本ではよく「手のひら返し」と言われますけど、これは子育てと同じで、よいときは褒め、ダメなときはしかるのは大事なこと。それとも日本では、一度褒めたら、その子が今度は悪いことをしても怒らないのでしょうか。そんなことはないですよね? 

――よいときは褒め、ダメなときに批判するのは「手のひら返し」などではないと。

そうです。では、「手のひら返し」とは、どういうことを言うのかというと、たとえばJリーグの選手がヨーロッパのクラブに移籍すると、向こうでまだなんの結果も出していないのにスター選手として持ち上げて、その選手がJリーグに復帰すると見向きもしなくなることがありますよね。選手をスターに仕立て上げて金儲けをして、用済みになるとポイ捨てする――これは完全な「手のひら返し」だと思います。

――以前から問題を指摘している「スターシステム」であり、「海外組偏重の報道姿勢」の問題ですね。日本代表に話を戻しますと、大迫、原口、清武、山口蛍(セレッソ大阪)といったロンドン五輪世代がここにきて台頭してきました。

ようやくと言いますか、むしろ遅いくらいです。原口、大迫、山口がなぜ、活躍できたのか。それは、当たり前のことですが、所属クラブでも試合に出て活躍しているからです。

次ページ名門クラブに所属してもベンチを温めているのは…
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事